ボクシングのWBA世界ミドル級タイトルマッチが、12日にエディオンアリーナ大阪で行われ、前王者・村田諒太(帝拳)が王者ロブ・ブラント(米国)に2回TKO勝ちで世界王座奪還に成功。
昨年10月にラスベガスで行われた世界戦で大差判定負けを喫した相手に9か月ぶりの再戦で見事リベンジを果たしました。

昨夜の試合、村田諒太選手のプロ転向後の試合では文句なく一番の戦いでしたね。素晴らしかった!

実は私の中では一つモヤモヤが残っていました。昨年の世界タイトル戦、生で見られなかったこと生で見るためにはDAZNに加入するしかなかったからです。民放(フジテレビ)では生中継なし。村田よ、お前もか!?、金に目がくらんだのか!? というのが当時の感想。
試合前、誠に身勝手ながら、そんなんじゃ負けちまうぞと思ったものです。
それが現実になってしまったわけですが...、しかもニュースでは1200発超のパンチを被弾する大差の判定負けだと...。

たから言わんこっちゃない(;'∀')!
村田選手は日本ボクシング界の星!そんな選手の試合をDAZN(英国)なんぞに独占されるなんて・・、と、なんかすごい腹立たしかったことを覚えています。

まあ、今回はフジテレビ。黒船なんかに身を売るな、なんて時代錯誤的な感想を抱きつつ、しかも日本での戦いなので、かなり有利であるとこれも勝手に思っていたわけですが、さすが村田選手。そんな我儘な期待に見事こたえてくれました。

しかも今回は試練のリベンジマッチ苦戦は必至だったわけですが...、日本ボクシング界のリベンジマッチと言えば、なんと言っても(私の中では)あの炎の男・輪島功一が思い出されます。

※私の中でのボクシングスーパースターは二人。輪島功一さんと具志堅用高さんです。

輪島功一さんの2度にわたる王座返り咲きは、昨夜の村田選手のリベンジ以上の衝撃と感動を与えてくれたものです。

輪島功一さんのタイトルマッチを生で見ている方はもう50代以上かと思いますが、輪島さんは当時WBA/WBC世界ジュニアミドル(現スーパーウェルター)級を6度も防衛していた日本の重量級の星だったんです。今で言うところの団体統一王者であり世界王者の価値が今とは比べ物にならない時代(もちろん価値は高かった)のチャンピオンだった輪島さんが、米国からの刺客オスカー・"ショットガン"・アルバラードを迎え撃った7度目の防衛戦。我慢にガマンを重ねた末の15回KO負けはさすがにショックで声も出せなかった。

現代の世界タイトルマッチは12回ですが、当時は15回だったんです!長(ナガ)!!。13回目以降はもう二人とも気合だけです(;^ω^)。

で、15回KO負けなんて身体はもうボロボロですわ。輪島選手は試合後病院に直行しそのまま入院するほどで、医師から引退を勧められるほどのダメージを負っていたのです。

しかぁし、なんと退院後間もなく再起に向けトレーニングを再開。"炎の男"というニックネームにふさわしい精神力をみせたんです。そして王座陥落から7か月後の1975年1月21日、アルバラードと再戦。15回判定勝ちで雪辱し、WBA・WBC王座返り咲きに成功したんですね。

凄くないですか!!  でもそれで終わりじゃないんですね。炎の男は。

同年6月7日、初防衛戦で柳済斗(韓国名ユ・ジェドゥ、当時はリュウサイトと呼んでいた)と対戦、勢いのある柳に手も足も出ず7回KO負け。またもや王座陥落。普通はこれで終わり、ジ・エンドですよね。私も涙しながら最後の健闘を称えたものです。

ところが、またリベンジするって言うんだから!一度言い出したら聞かない輪島選手。見事な負けっぷりを見たら誰も次勝てるなんて思いもしないわけです。多分、唯一輪島選手を除けば...。

そして翌1976年2月17日、柳と再戦。なんと、なんと、なぁんと!!、今度は15回KO勝ちをおさめ2度目の世界王座返り咲きを果たしたんです。



この試合の後、私は本屋さんで見つけた輪島選手の自伝本を思わず買ってしまうのでした(^-^;

現代、世界タイトルマッチは12回戦となり、選手達の健康を心配して早めのレフェリーストップ(TKO)が増えてきました。ボクシングは殴り合いというイメージは影を潜めより"スポーツ"色が濃くなってきたと思いますが、やっぱり変わらない部分、変わってほしくないものがあります。

それは、拳闘!拳と拳のぶつけあい!闘争本能ってやつです。倒すか倒されるか、やられたらやり返す!そんな人間の本能を熱く刺激する闘いを見たいのです!ボクシングには。

そしてそれを見事に体現してくれた村田諒太選手。

これまで彼がプロに転向してからの試合を見てきた感想は、これでは、前ミドル級統一王者のゲンナジー・ゴロフキン=GGG(カザフスタン)や現WBAスーパー・WBC・IBF世界ミドル級王者のサウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)には到底勝てない、歯が立たないといったものでした。



昨夜対戦したロブ・ブラントには悪いけど、彼なんか上の二人に比べたらとても世界チャンピオンなんて言えるレベルではないんです。今や世界チャンピオン認定団体は4つもあり、チャンピオン量産しすぎなんです。

現実に村田選手は、昨夜WBA王者に返り咲いたわけですが、その上にスーパー王者としてアルバレスが君臨しているわけで・・、なんだか複雑な感じですね。

まあ、だからこそ、村田諒太選手にはもう一段上の頂を目指してほしい。

付け加えると(生意気なことを言いますが)、昨夜村田選手は一皮むけた、自身の殻を破ったと見ました!

パンチは単発で終わらず常に攻めの姿勢を崩さず、同時に冷静で落ち着いていた。あの戦い方ならもしかしたら...、パンチのある村田選手なら...、

もしかしたら、GGGとカネロの壁を突き破ることが出来るかもしれない!

可能性はほんのわずかかもしれません。しかし、あの輪島選手と同じリベンジをやってのけた村田選手なら、と希望を抱かずにはいられません。

では、昨夜の試合のなんへんを。

WBA世界ミドル級タイトルマッチ・村田諒太 なんへん:60

※その後輪島選手は、初防衛に失敗。それでも引退せず、3度目の世界王座返り咲きを懸けてタイトルマッチに挑むもKO負けでついに引退したのでした。その時輪島34歳。見事な散りっぷりでした。私の大好きなボクサーでした。(;^ω^)



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