テレ東ドラマ「きのう何食べた?」感想 悩みも心地よいドラマ!

テレビ東京系金曜深夜ドラマ 「きのう何食べた?」
毎週欠かさず楽しみに見ております。
今クール(2019春ドラマ)で毎週ここまで見ているのは「きのう何食べた?」を含めても
3本しかありません。
「集団左遷」「わたし、定時で帰ります。」ですね。
ここ数年、ほぼすべてのドラマの第1話を視聴し始めるのですが、
ラストまで見続けるドラマはだいたいこの本数(3~5本)になっています。
他のドラマがつまらない、というわけではなく、
いや、くそつまらないドラマは多いですけど...(~_~;)
見れば面白いドラマは他にもあります。
ただ、続かない。一話完結ならまだしも、連続ものは録画しても結局見ないであきらめてしまう。
そのあきらめが年々早くなっていく。
我慢がきかない歳になってきたのか...(;´・ω・)
そのドラマのテーマや雰囲気がよっぽど好きとか興味がないと
もう見なくていいか~、と、あっさり切り捨ててしまうんですよね。
で、その空いた時間で何をやっているかというと、タブレットやスマホでyoutubeを見たりしているのですよ。
これが時代の流れってやつでしょうか...。

さて、「きのう何食べた?」です。
この枠(テレビ東京系金曜深夜)はたまにこうしたワクワクさせてくれるドラマを提供してくれるので、私の中ではずっと“あなどれない枠”という認識でおります。
過去では、「怨み屋本舗」「勇者ヨシヒコシリーズ」「孤独のグルメ」「忘却のサチコ」などなど。

で、「きのう何食べた?」の何が好きで毎週欠かさず見ているのか。
理由はいくつかありますが、なんと言っても
ダブル主演である西島秀俊さん(48歳)、内野聖陽さん(50歳)の演技をじっくり堪能できるということ。
ここまで「演技」に注目したドラマはかつてなかったんじゃないかと思うほど、二人の一挙手一投足(一セリフ一顔の表情)に感嘆の声を上げ、ため息をついたことはありません。

話はシンプル(ちょっとしたエピソードと料理)です。
ふたりがゲイのカップルという点は、今となっては奇抜とまではいかず、時流に乗った流行りものですし。
原作は漫画(私は読んだことありません)なんですね。

しかし、テレ東がすごいのは、ダブル主演に男臭い役をこなしてきた西島秀俊さん(シロさん)、内野聖陽さん(ケンジ)を持ってきたことですね。
30代のイケメン俳優をもってきても良かったでしょうに...、
テレ東はそんな安易なキャスティングをしてこなかった。
さすがはテレ東。

まあ、内野聖陽さんは好きな役者で、その演技力には定評があり心配してはいませんでしたが(ちょっと怖いもの見たさはありました)
西島さんは正直、セリフが一本調子だし(抑揚も単調)、心の機微を演じることが果たしてできるのか? 不安でした。
(私が不安に思ったところで何でもないですが、そういう声も結構ありましたよ...)
なので、未知の世界だったわけです。

ところが、です。
内野さんは予想通りの芸達者ぶりでさすがの一言でしたが
西島さんがあんな優しい表情を見せてくれるとは...、意外や意外、
特に“独白”に合わせた表情(ニヤッとしたり、イラっとしたり)は秀悦でした。
ふたりとも肩の力を抜いて演じていらっしゃるのもいい!
西島さんなんていっつもだいたいガッチガチって感じじゃない。ねっ、そうでしょ。
だからあなたさ~、たまにはもっと肩の力抜いてさぁ、ユッルユルで演じちゃいなよ!!
とか、内野さんが言ったとか言わないとか!?(言わないか(;^_^A)



とにかく二人の演技が見ていて楽しい!
多分二人も演じることを楽しんでいる。というのが伝わってくる。

また、私にとってこのドラマを見続けるその力(理由)となっているのは、
『共感』と『安堵』です。
私はゲイではありませんけど、人に言えない悩みを抱えています。
(とは言ってもそんな特殊な悩みじゃなくありふれたものですけどね...(;^_^A)

二人が悩みを抱えながらも日々淡々と暮らしている姿を見ていると
「安堵」するんです。

そして、二人が前向きに生きているというのもいいんです。

共感⇒安堵からのポジティブ

癒されるという声が多く届いているというのも納得ですね。

ドラマとしての作りも上手だなと思うのは、
ストーリーのひとコマにさりげなく料理の場面が挿入されてくるところ。
※あっ、これが(このドラマの)メインなのか!?
まるで違和感ないので、料理をする場面ですら感情移入して、
料理もやらない私がその段取りや手際にくぎ付けとなってしまうんです。

ケンジの作るサッポロ一番みそラーメンのアレンジなんか、録画したその場面を
10回は見て作ったし...(・∀・)ニヤ
あれはスゲー旨かったし。

それに、料理に愛があるんだよな~!!

で、先ほどの“悩み”ということで付け加えると、
その悩みは、なかなか解決できることじゃなく、正解があるわけでもない。
また、他人が解決してくれるようなものでもない。

そんなエピソードが毎回盛り込まれています。
シロさんとケンジふたりの悩みはもちろん、
ご両親の悩み(息子がゲイという)、家族の悩み、
親を許せないゲイカップルが財産分与で悩んだり、
浮気が娘にばれちゃって悩んだり、
結婚式のパーティーでもてすぎて悩んだり、

重たい悩みからどうでもいい悩みまで...、様々

それでも自分で(もしくはパートナーと共有しながらでも)自己嫌悪に陥ってモヤモヤしながらも、めげずに生きていくしかないじゃない、っていう感じが自然に描かれているのが
心地よい。
押しつけがましい(説教臭い)セリフも一切なし。

なんて心地よいドラマなんだと、回を重ねるごとにかみしめています。

これはぜひともシーズン2、3と続けていってもらいたいと思う次第です。

では、久しぶりの【なんへん】を。

「きのう何食べた?」なんへん:62

以上



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