ドラマ『ストレンジャー』バケモノが事件を暴く 感想!! 《香取慎吾という役者について》

SMAPの香取慎吾が満を持してテレ朝ドラマに初主演!

それが、昨夜放送されたドラマスペシャル『ストレンジャー~バケモノが事件を暴く~』です。
ご覧になりましたでしょうか!?

このドラマの原案は、少女漫画の名作 萩尾望都(はぎおもと)の『ポーの一族』(1972年~1976年)
少女漫画界を代表する方であり、2012年には少女漫画家では初となる紫綬褒章を受章しております。

『ポーの一族』
人間の生気を吸い老いることなく永遠の時を生きる一族を描いた物語。西洋に伝わる吸血鬼(原作においてはバンパネラと呼ばれる)伝説を題材にしたもの。

あらすじ(ネタバレあり)

都内で、首を絞められた後に頸動脈に穴を開けられ、血が抜かれるという殺人事件が立て続けに二件起きる。刑事の佐伯章二(萩原聖人)らは、シリアルキラーによる連続殺人事件も視野に入れながら捜査を継続する。

その頃、大きなスーツケースを抱えた男・三杉晃(アキラ)(香取慎吾)と謎の美少女・真理亜(中条あやみ)が深夜バスから降り立つ。古書店の店主・前島康夫(段田安則)のもとを訪ね、香織”という女性を迎えに来たと告げる三杉。前島は、そう話す三杉の姿が鏡に映っていないことを指摘し「気を抜くな」と忠告する。
一見普通の人間と何ら変わらない三杉たちだったが、実はふたりには秘密が…。彼らは歳をとらずに生き続ける不老不死、バンパネラの一族だった!

約束の夜、“香織”(宮下かな子)を迎えに公園に向かった三杉だったが、その途中で香織が何者かに殺害されてしまう!
血は抜かれていなかったものの、香織も連続殺人事件の被害者であると推測した佐伯は捜査を開始。香織の身辺を探るうちに、彼女が児童養護施設の出身であることがわかる。

そこで当時の様子を聞いた佐伯は、香織の「大人になったら“お兄ちゃん”が迎えに来てくれるの」という言葉が気になり…。さらに、香織の言う“お兄ちゃん”が三杉のことではないかと考えた佐伯は、三杉晃という人間について、そして連続殺人事件との関連について調べ始める。

佐伯が自分たちの身辺を探っていることに勘付いた三杉は、真理亜とともに事件の真犯人を見つけ出すことに…
やがて三杉のことを調べた佐伯は、衝撃的な事実を目の当たりにする…!

-テレビ朝日HPより抜粋-

-感想-

本編とは関係ない部分の感想

サブタイトルがひど過ぎる(-_-;)
些細なことですが、~バケモノが事件を暴く~って・・、さすがに“バケモノ”はないんじゃないかな~とね^_^;。
せめて、“魔もの”とか、“異類のもの”、とか。なんならストレートに“バンパイア”でもいいような気がします。せっかく幻想的な映像を全面に押し出しているのに、このサブタイトルは二人にふさわしくない。

それから、視聴中に特に気になったことを

CMに行く前のつなぎがやたら長かった。
CM後のドラマの“一場面”が、次々とワイプ画面で流れるように現れ、私たちに見せてくれるのですが、初めは、ドラマの雰囲気を盛り上げるための演出と気にならなかったものの、後半頻繁にCMが流れるようになると、だんだんとうっとうしくなってきました。
CMでもない、ドラマ本編でもない、あの時間は無駄だなぁと・・。単なる時間稼ぎ(尺かせぎ)ですよね。ドラマの自然な流れをブチ切る所業かと思いました。(-_-)

それで本編感想

主人公の二人は不老不死の肉体を持ち、時代をさまよい続ける“バンパネラ=吸血鬼”。
原作の“不老不死であるがゆえの孤独と無常を抱えながら生き永らえる一族”というモチーフだけをいかして、そこに連続殺人というサスペンスを盛り込んだまったく新しい作品に仕上がっていました。

幻想的な雰囲気のオープニングは良かった(*´▽`*)!
主演のお二人、スタイルがいいので並んでゆっくり歩くと映えますし・・、これからどんな事件が起こってどんな風にこの二人が絡んでいくのか、期待が膨らみます!

事件はよくある猟奇殺人ですが、あらすじにある通り、第3の被害者に三杉晃(香取慎吾)の待ち人である香織(宮下かな子)がなってしまったことからドラマは動き出します!

犯人は一体誰なんだという興味よりも、何年も待ちわびた女の娘を殺された三杉の動きが気になって、この独特の世界に引き込まれていきました。

上手いのは、そこにやたらと勘の鋭い刑事佐伯章二(萩原聖人)を登場させて、三杉の秘密に徐々に迫っていくというストーリー展開!
もちろん刑事は犯人を追い詰めているつもりで捜査をしているのですが、私たちは、佐伯がいつ禁断の秘密にたどり着くのかとヒヤヒヤしながら見ることになります。このドキドキ・ヒヤヒヤ感がバンパイアものの醍醐味なんです!
(※ただし、もはや原作とは別物の、サスペンスミステリー(-_-;))

「バンパネラの一族」「刑事」そして、「犯人」

三つ巴の関係に、バンパネラとして生きる三杉の過去がフラッシュバックし、なぜ彼が一族の一員に加わったのか、それと香織との出会いがもう一つの軸として、ドラマは動いていきます。
(※いい緊張感の中でCMがうざい(-_-メ)

そこで残念なのは、三つ巴となる事件は丁寧に描かれていくのに、なぜ三杉が魔物の世界に導かれてしまったのか、なぜ三杉なのか!?については、ぼんやりとしか描かれなかったこと。
最愛の妻と息子を失い、睡眠薬を飲んで自殺を図ろうとした三杉。なぜ死を選ばず、不老不死を選んだのか!?(そこがもう少し丁寧に描かれたらもっとよかった)

もしかしたらその答えは、また別の機会に訪れるのかもしれませんけど・・("^ω^)

さて、しかし、なんといってもこのドラマ!
香取慎吾さんがどんな演技を見せてくれるのか!?
そこに注目してしまうわけです。

《香取慎吾という役者について》

つい先日までTBS日曜劇場『家族ノカタチ』で主演を張っていた香取慎吾さん。
感情をあらわにした演技でベテラン西田敏行さん、上野樹里さんを相手に頑張っていました。
私はいまいち出演者たち=物語に共感できずに途中でリタイヤしてしまいましたが、香取さんの演技は悪くなかったと思っています。(上から目線ですみません(^^;)

香取さんの演技、苦手でした。
何がって、あの“話し方”がです。
『SMAP×SMAP』でも『SmaSTATION!!』でも同じですが、あの"ぼそぼそ"と話す話し方。
あの"ぼそぼそ"と何か奥歯に物が詰まったような感じがどうにも・・×。

かと思えば、『おじゃMAP!!』で見せる山崎弘也(ザキヤマ)さんと香取慎吾さんの掛け合いは、また別のテンションで明るく振る舞える!

このテンションの違い。それが演技でも見えるのです。

彼は、その場、その時のシチュエーションで"一生懸命演じている"よう。
(って、これはあくまで私見ですけど(;^ω^))

同じSMAPの木村拓哉さん(いつも比較の対象にしちゃっていますが(^^ゞ)は、与えられた「役」をのみこんでしまう=自分のものにしてしまう! それは、"自然に振る舞っているような演技"
もっとよく言えば、"素"=ナチュラルを芝居として作っている。天才肌っていうのかも!?('◇')ゞ
「嵐」の二宮和也さんもこのタイプか!? 自然な演技しますよね。

ただそれを、演技が上手いか下手かと言われれば、受け止める人によって違うのでしょうけど・・。

同じSMAPの草なぎ剛さんは、その「役」にずんずんのめり込んでいく。入り込んでいく。
草なぎさんの個性は消され(元々そんな強力なキャラを持っていないのが幸いしてる(^^ゞ)!?、
ドラマの登場人物に同化する。これ、もしかしたら最強かも!?

※こちらの記事参照 ⇒ 『スペシャリスト』第9話感想 《草なぎ剛という役者について》

では、香取慎吾さんは・・・。
その「役」を一生懸命演じている!

決してどんな役も"素"ではないですし、かといって「役」に成り切れているかというと・・、たまに香取慎吾が出てくる。
でも、その「役」に成り切ろうとすごく力が入っている=頑張っている!!

言葉にするとうまく言えないのですが、私の印象はそんな感じなんです。

演技に関して、今作『ストレンジャー』の本広克行監督からは、

「『感情なしで(演じて)』と言われた」-テレビ朝日HPより-

らしいです。

なるほど( `ー´)ノ、監督の要求通りに彼は感情の起伏を見せない三杉を演じ切っていました。
意外とこうした役が香取慎吾さんには合っているのかもしれません。
感情を抑える三杉晃という登場人物と香取慎吾はうまくハマるかもしれない!
そんなことを思いました。

ただ、そんな彼=「役」に、どうやってこちらが感情移入したらよいのか!?

今回はミステリーだったので、感情移入も必要ないのかもしれませんが、せっかく香取さんのハマり役かと思うので、もっと世を忍び、孤独に生き続けた彼らバンパネラ一族の苦悩や葛藤にも焦点を当てた続編を期待したいと思います。

今度は逆に、監督から『苦悩や葛藤を表現してね』と言われたら・・・、はたして力まずに演じることができるのか一抹の不安を感じますけど・・。
※「力む」=身体に余計な力が入るさま。それが高じると⇒“わざとらしく”なります。

最後になってしまいましたが、三杉を不老不死の身体にしたバンパネラ一族の末裔・真理亜を演じた中条あやみさん。
ちょっとダークな雰囲気出ていましたけど・・、一族の苦悩や葛藤なんて彼女には関係ないのかな!?
もう少し、感情出しても良かったんじゃないかと・・("^ω^)

そして、連続絞殺事件を追う刑事・佐伯章二役に萩原聖人さん。萩原さんの存在がこのドラマの緊張感・緊迫感を支えたと思います。さすがですね('ω')
ほかに、段田安則さんや益岡徹さんら脇を固める皆さんの演技は、一歩間違えば嘘くさくしらけたものに成りえたダークファンタジードラマにリアリティを与えてくれたと思います。

では、なんへんです。

スペシャルドラマ『ストレンジャー』なんへん:56

※テレ朝なら続篇あるかも・・("^ω^)ノ でもあれか、連続ドラマにするには、ちょっとダークすぎますかね!?

以上
Mr.なんへんでした。



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