今回は歯医者さんのお話。それもセカンドオピニオンの話です。
今現在歯の治療で悩んでいる方がいたら少しは参考になるかも・・、ということで、進めます。
実はかれこれ5年ほど前から渋谷の歯医者さん(渋谷N歯科)に通っています。5年という期間を"かかりつけ"と言っていいのかどうか分かりませんが...、なんか歯ぐきの調子が悪かった(出血ですね)ので、飛び込みで診てもらったのがはじまりです。
私の場合、以前心臓の手術をしていて、その関係でワーファリンという薬を毎日飲んでいます。で、この薬の副作用として血が止まりにくいということがあるのです。怖いですね~。検診の採血の時ですら普通の人より長い時間(普通の人が2分なら私の場合は6分位)針を刺した個所をぐっと押さえていないと血が止まらないんです。
まあ、ちょっと厄介な身体なんです(;´∀`)
なので、歯からの出血にも当然気を使わなくてはならず・・、渋谷N歯科では歯ぐきからの出血(=歯槽膿漏)対策として定期的にクリーニングをして頂いていたのです。
1年に4~5回という頻度で診てもらっていたのですが(歯石除去中心のクリーニングですね)、2年前から前歯が(歯列の中央にある前歯で、いわゆる中切歯(ちゅうせっし)と呼ばれる歯が(参考の写真載せました。私の歯じゃないですよ...))ちょっとグラグラし出したんです。気が付いたときは大して気にしておらず、かかりつけの先生も"ちょっと様子を見ましょう"と仰るので....、
ただ、この"グラグラ"の原因は分かっていました。要するに"噛み合わせ"の問題なんです。そのグラグラする歯(上)と下の歯がぶつかっていたのです。普通は上の歯が前にきますよね。
※噛み合わせたときに下あごにある歯全体が上あごにある歯全体より前方に突出していることを「受け口、しゃくれ」とか言いますが(アントニオ猪木さんとか、ソフトバンクの内川聖さんとかそうですよね)、私の場合中切歯右側の1本だけがそういう状態にあるのです。これも厄介ですね~(-_-;)
でもこれって、若い頃から変わってないと思うんです...。やっぱり中年になって歯ぐきが弱ってきたせいで上歯と下歯がぶつかっていることにとうとう歯ぐきが耐えられなくなってきたんでしょうね。これも老化ってやつですか!?
そして、ず~と様子を見続け約1年、その結果結構グラっとしてきちゃってもうリンゴなんかとてもじゃないけど前歯で噛んだりできなくなってきたのです。で、先生に聞いてみたんです。
"このままいくとまずいですかね"って。
もちろん先生もいろいろ手を尽くしてくれてはいました。夜寝ている時の歯ぎしりが良くないといって、上あご用のマウスピースを作ってくれたり、グラグラしている歯の左右の歯にボンド(歯用?)をつけてなんとか動かないようにしてくれたり・・、(^-^;
しかし、結局最終的な手段としては、"抜くしかありませんね"って言うんです。
そうですか...、と私。"抜くしかありませんか・・"
先生:ただ、あなたの場合は薬(ワーファリン)を飲んでいるからね~、う~ん、まあ抜く場合は、心臓のかかりつけの先生にいろいろ聞いてみないとダメですね。
私:そうですか、やっぱり抜くしかありませんか...。
・・・、
・・・・、
渋谷N歯科の先生はいろいろ手を尽くしてくれた結果、最後に出した結論は『抜歯』
このまま抜かないでいると歯茎の下にある歯を支える骨が溶けてきてしまう、いやもう溶け出しています、と恐ろしいことを言うのです(レントゲンの結果)。う~む! これはもう待ったなしの状態なのであります。(※歯周病とは歯茎の下にある歯を支える骨が溶ける病気でもあるらしく。歯を支える骨とは、つまり顎の骨でもあり、顎の骨が溶ける病気なんです)
いや、でもですね...、(~_~;) やっぱりグラグラしていたとしても、どうしても"抜く"という決断ができない私。だって前歯の真ん中、しかも見た目まだまだ健康なんですよ!
自分の歯を残したい。そう思うのは自然なことですよね。でしょ(;^ω^)、
そこでまずは心臓のかかりつけの先生に聞いてみました。
かくかくしかじかで、抜いたほうが良いと言われてるんですが・・、どうでしょうか?先生。
すると先生は、“う~ん(眉間にしわを寄せながら)、あなたの場合ね、薬飲んでるでしょ、抜歯の際の出血が怖いんだけど、それ以上に人工弁(心臓病手術で今は人工弁が入っている)は細菌に弱いのでその感染が怖いんだよね~。”
つまり私の心臓の主治医としては、抜歯はあまりお勧めできないというわけ。
困ったぞ、これは!困ったこまった。さて、どうしたものか!?
この問題、解決するために一度整理してみました。
① 歯医者の立場:これ以上の歯茎の改善は期待できず、そのままにしておくと歯を支える骨が溶けてしまうので、そろそろ抜歯する必要があると。
② 心臓の先生の立場:薬と人工弁装着の影響から抜歯はお勧めできない。
③ そして私の立場:骨が溶けるのは嫌だ。でもグラグラするとはいえ見た目しっかりしている歯を抜くのはなんかもったいない。
さあそこで、第三の選択肢として浮上してきたのが別の歯医者さんに聞いてみるでした。(心臓の先生が軽~くささやくのですよ。歯医者さん変えちゃえばって・・。)
つまり、セカンドオピニオンというわけです。
(ここまで随分長かった(;^_^A)
よし!決めた。それなら私がやるべきことは第二の歯医者さん探しです。
しかぁし、これがなかなか難しい。
そもそも渋谷N歯科を選んだ理由が、心臓病クリニックのお隣だったという単純な理由だったので、きちんと調べて現在の歯科を選んだわけじゃなく。
それが、今度は第二の意見を頂けるそれなりに優秀な歯医者さんを選ばなくてはならないと。一気に選択のハードルが上がってしまったわけです。
ここで初めて、歯医者さん選びの難しさを痛感することに。
とにかく、町中を意識して眺めてみると歯医者さんの多いこと・・。
それもそのはず、2018年度で言うと、歯科医院の数って約6万9千店舗もあるのです。これはコンビニの数約5万5千店より1万4千店も多い(;'∀')。(まあ、美容院はもっと多いんですけどね!約24万8千店)
私の知る限り、確かに近所でこの半年あまりで2店舗は開業してますし、その間にコンビニは1増1減って感じで。歯医者さん増えてますね~。一度できたらなかなかつぶれないしなぁ...。
では、皆さん、歯医者さんってどうやって選んでいますか?
■ セカンドオピニオン歯科医選び
近所にある歯医者さん、会社近くの歯科医院、ネットや雑誌の評判が良かった、知人の紹介などなど、いろいろあると思いますが、病院と違ってなんか決め手に欠けるというか、悩ましくないですか?というのも(あくまでイメージですけど)、お医者さんってそれなりの規模の病院に行けばそこそこのレベルは維持している(信頼できる)ような気がするのに対して、歯医者さんそれも開業医って、ホントにピンキリという感じがするからです(実際そうですから!一度三軒茶屋の歯医者でひどい目にあったし・・( ;∀;)。ヤブ医者め!
ネットの評判=口コミと言っても、そもそも書き込みがなかったり、投稿数が少なすぎて信ぴょう性に欠ける。
結局、とにかく一度試してみないとその実力は分かりません。
そんな中、私が今回何を目安に選んだかというと、ホームページです。
“いや普通じゃん”という声が聞こえてきそうですが、もうそれしかないじゃないですか
(;´・ω・)
もちろんHPは宣伝なので、良いことしか書かれていません。
しかしそれでも多くの歯科医院のHPを見ていると分かることは沢山あります。
まずは、医院長もしくは歯を治療してくれる人のプロフィールがちゃんと書かれていること。どこの歯学部を卒業しているのか、経験はどうなのか、素人の我々が判断するのは難しいかもしれませんが、出来ればより難しい歯学部卒業が良いのかなって思います。もちろん手先の器用さは偏差値では計り知れないですけどね。それでも医療の世界は技術の進歩が激しいのでそれに対応するだけの能力(地頭の良さ)が必要だと思うからです。
それから、その歯科医院は先生一人なのか、または先生が何人かいるようなチームで動いているのか!? これって意外と大事かもしれません。
評判のいい先生がいる歯医者さん。しかしそこは何人かの先生がいて、実際担当についてくれた人は別の先生だったとかよくある話ですよね。なので、HPに載っている(評判のいい)院長が実際に診てくれるのかどうかは確認したほうが良いかなと。
それともう一つ。今回思ったのは、出来れば若い先生。
若いと経験が足りないかもしれません。しかし、逆に年齢がいってると最新技術に疎い(うとい)かもしれません。
ここは悩ましいところです。
渋谷N歯科の先生(多分50代後半)は経験豊富ではあるものの、医院自体の設備も若干古いような気がしました(これは色んな歯医者さんのHPを見てはじめて分かったことですけど・・。)
新しければよいというわけじゃないですが、医療技術は日進月歩ですからね。新しい技術や技巧を取り入れているのはやはり若い先生の方が多いと思うのです(これは私見ですが開業医の方の場合は自己研鑽を積もうという意思がないと技術の進歩についていけなくなると思うのです)。
あとは直感です!(;^ω^)
なかなかセカンドオピニオンを頼める歯医者さんが決まらない中、ある日曜日近所を歩いているとチラシを配っている女性がいて、普段はスルーするのにその日はつい受け取ってしまったんですよね。それがたまたま自宅から徒歩3分圏内に出来た歯科医のチラシだったのです。
これは・・・!? 天の啓示!?
探し始めてかれこれ2ヶ月くらい経っていて、もうどこでもいいや的な心境になっていたのもありますが、チラシに「歯に関すること、どんなことでもよいのでまずは相談を」と書かれていたので、“これだ!”と思ったわけです。
もちろん設備は最新のもの。どうやら歯医者さんは院長一人。歯科衛生士さん2名の三人体制。院長は某国立大学の歯学部出身。歳は多分30代前半。若いけれど歯科大学での勤務を経て各地域の歯科医で6年修行を積んでの開業。だいたい開業医の方の経歴はさほど変わらないかもしれませんが、まあ、何でも相談してくれって言うので電話してみたのです。(ちなみにそこは「上用賀歯科」という歯科医院です)
■ セカンドオピニオン体験
出たのは受付の女性スタッフ。セカンドオピニオン大丈夫ですか?と、おそるおそる聞いてみました。へっ!? みたいな反応でしたが、保留にして先生に聞いてきてくれて、OK!ですよと。
日にちを決めて行ってきました。
さてここで皆さんが聞きたいことは、かかりつけの歯医者さんにそのことを話したかどうかですよね。(^-^;
もちろん、話していません。( `ー´)ノ
よくネットや雑誌には、セカンドオピニオンを聞くためには元のお医者さんに話してカルテ(口腔内写真、レントゲン写真等)を入手し先方に渡すのが良いとか書かれています。
・・、
・・・、う~ん、
それがマナーなのか分かりませんが・・、なかなかそれはハードルが高いです。
そもそも言う必要があるのかどうか...、遠回しに先生の診断に納得いかないと言うわけですからね・・。歯の写真はきっと新しい先で撮ることになると思っていましたから...。(これが心臓なら話は違ってくるかもしれません。過去にどんな検査、治療をやってきたのかそれを伝えないとまた一から多くの検査をすることになりますから...)
セカンドオピニオン当日。個室に案内され軽く挨拶を済ませます。
先生は、若いけれど随分落ち着いている感じ。第一印象は悪くありません(自分との相性も含めてこれ大事かも...)。
早速本題に入ります。
これまでの歯のグラグラの経緯をお話し、現在の歯科医では1~1.5年ほど様子見の結果、歯を抜くしかないと言われていると。
でも私はまだ抜きたくないんだと。
なんとか残すことはできないかと。
もちろん先生が診ても“これは確かに抜くしかないね”って仰るのなら、私は潔く抜きます、と伝えました。
ただし今回はあくまでもセカンドオピニオン。抜く場合はこれまでの歯科医院(渋谷N歯科)になります。
さあ、それまで私の話をじっと聞いていたお若い先生ですが(真剣にこちらの話を聞いてくれるというのも重要かと思います。そわそわしたり頻繁に目線が外れたりというのは患者さんに向き合う姿勢としてどうかな?って思うのです。)、
“では、まずは歯を見せてください”と。
そりゃそうだ。まずは歯を見てもらわないとね。
別室の歯科用CTで口腔内のレントゲンを撮ります。
5分もしないうちにその画像が診察室の目の前のドでかいモニター(50inch)に映し出され...。
“そうですね、やはり歯を支える骨が溶けてきていますね~、原因は、噛み合わせで、口を閉じた状態で上の歯と下の歯がぶつかっているのでその反動で歯茎が弱ってきているせいですね”
やはり!! 渋谷の先生の診断に間違いはなかった!!
ということは・・、(;'∀')
“やはり抜くしかないのでしょうか...!?”と、私。恐る恐る聞いてみます。
すると先生はこう言うのです。
“グラグラしている上の歯を抜くにしても、噛み合わせの処置をしない限り問題解決にはなりませんね”と。
うっ!
!!!、
ハッとしました
そう、そうなんです!私もそう思っていたのです!
思わず声が出てしまいましたね。
“そうですよね!”と。
「歯を抜く」というのはまあ仕方がないとしても、それで問題解決するの?と心にずっと引っかかっていたのです。前歯のど真ん中の歯を1本抜いて仮の歯を入れるにしろ、また下の歯とガチガチぶつかってしまえば同じことになるのじゃなかろうか・・。
冷静に考てみれば当たり前の疑問なのに、それが言葉として出てきませんでした。
なんでだろう?
まあしかし、指摘されたら思考が整理されて・・、じゃ、どうしたらよいの?
と、次の疑問が浮かんできます。
すると、セカンドオピニオン先生はしばし考えたのち、選択肢を3つ提示してくれました。
グラグラした上の前歯を残したいのなら・・、
下の歯を矯正して上の歯とぶつからないようにします。ただし、矯正は保険がききませんので高額になります。
他のやり方として、上の歯とぶつからないくらいギリギリまで下の歯を削ります。削り方に2種類あって保険が利くのと利かない方法があります。そしてどのように違うかの説明があった後、どちらにせよ、下の歯をなんとかしないといけないと。
実はこれ、目からうろこの提案だったのです。
ずっと上の歯を何とかしなくちゃいけないと思っていたからです。
しかし、原因はぶつかる下の歯が他の歯より前に出ているせいなので、本来ならそれ(下の歯)を何とかしなくちゃいけないはずなんです。
でも、渋谷N歯科では下の歯をどうするとか何も言われていなかったのでまったくのノーマーク。矯正も考えなくはなかったのですが年齢的に今さらなぁというのもありました。
いい歳したおじさんがワイヤー矯正というのもなんだかね。。
そこに、下の歯を削る、という新たな方法を提示されたのです。
ああ、なるほど!でもそんなことができるんだなぁ、と思いました。
そして、同時に、ああ、歯医者さんによってこんなに違うんだとも思いました。
どうしましょうか?と、先生は聞いてきます。
私は、う~ん、そうですね~、と30秒ほど考えた末(短)、決めました。
保険の利く方法で下の歯を削ってください!
歯を削るというのは、最良・最善の方法ではないかもしれませんが、私の事例で言うと次善の策であると納得して治療してもらうことに。
すると先生は、分かりました。では、次回から治療に入りましょう。
まずは下の歯を処置してそれからグラグラする上の歯をどうするか考えましょう、と。もしかしたら現状維持から抜かなくても良いまで回復するかもしれません。
う~ん、サクサク進んで怖いくらい!
これまでの1年半は何だったんでしょうね?
渋谷N歯科の先生は嫌いじゃないし経験も豊富なんだと思います。しかし、残念ながら明確な治療方針を示してはくれなかった。今回別の先生に診てもらいましたが、その技量の差は明白です。
結果、セカンドオピニオンを求めた行動は正しかった!
しかし、今回も同じ技量の先生に当たっていて、抜いたほうが良いという診断を受けた可能性だってあるわけです。
それじゃあ、歯科医選びはイチかバチかのギャンブルなのか!?
そこは難しいところです。知人・友人の紹介ならいざ知らず、初めて入る歯医者選びはギャンブル的要素はあると思います。ただ、治療方針に納得できなければ、セカンドオピニオンの機会ととらえ迷うことなく他の歯医者さんに行ってみることをお勧めします。
その際には、私が何気に考えた歯科医選びの方法を参考にしてみてください。
以上です!(^^)!
【追記】
歯科医のセカンドオピニオンについて書かれているホームページ(歯科医院のHP)で以下のような文章を見つけました。セカンドオピニオ ンは、今診てもらっている主治医とは別の医療機関や医師に意見を求めることです。
セカンドオピニオンを受けることで、現在の治療が適しているのか、もっと他に治療法はないのかなど、患者さんが納得のいく治療を受けることが可能となります。
ここで気を付けなければいけないことは、「自分が今の医療機関や主治医が不満で通院をやめて、他の医療機関で診てもらうのはセカンドオピニオンではない」ということです。
また、今の主治医に言いにくいため、内緒で別の医療機関で診てもらうことも、セカンドオピニオンではありません。
セカンドオピニオンは、最初の医療機関の紹介状と検査結果が必要となります。
今のところが合わないから、主治医に言い出しにくいから内緒で、というのはセカンドオ ピニオンではなく、転院ということをまず知っておきましょう。
これによれば、私は結果、転院ということになります。
しかし上の文章でいくと、セカンドオピニオンを受けるためには、「最初の医療機関の紹介状と検査結果」が必要と言ってますね。
・・、
・・・、
そんなことを真に受けてはいけません!
別に紹介状がなくたって、堂々と新たな歯科医で意見を求めたらよいのです。
そもそもセカンドオピニオンとは、“今診てもらっている主治医とは別の医療機関や医師に意見を求めること”と定義しているのです。内緒だろうがオープンにしようが別の医師の意見を聞くことは第二の意見=すなわちセカオピです。
そして結果、転院につながろうが、結局元の歯医者に戻ろうが(何食わぬ顔で戻ればよろしい)、悩んでずるずると引き延ばしてしまう方がよっぽど後悔することになると私は思います。
私のように紹介状がなくたってちゃんと受け付けてくれますし(それがなくてはセカンドオピニオン受け付けられませんという歯科医はこちらからお断りです。)、検査は新たな医院でやっもらえばよろしい。
と、私は思います。(以上、追記でした)