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2016【冬ドラマ】
お気に入りの2本が今日、最終回を迎えました。
その感想を!(ネタバレあり)
『スペシャリスト』のすぐ後、余韻を噛みしめる間もなく、一気に『ナオミとカナコ』に突入!
ちょうど先ほど『ナオミとカナコ』を見終わりました。
あらためてまた感想をアップしたいと思いますが、それでも今ここ(心)にある余韻を吐き出したくて、キーボードを叩いています(;^ω^)
『ナオミとカナコ』
私の中では、今クールの冬ドラの中で、1番ハマったキャストでした。ナオミ=広末涼子さん、カナコ=内田有紀さん、服部陽子役の吉田羊さん、そして、中国人社長 李朱美を演じた高畑淳子さん。この女性4人の演技合戦は、見応えがありすぎて、文字通りテレビ画面から目が離せなくなりました。
特に、ドラマ後半(7、8話以降)からその存在感を見せつけた吉田洋さん(今乗りにノっている女優さんですよね)の迫力がすごくて、マジであの鋭い目つきが夢に出てきそうです。
(;´∀`)。
もちろん、広末涼子さん、内田有紀さん、そして高畑さんに関しても何も言うことは有りません。
特に広末さん。先日放送されたの『松本清張二夜連続ドラマスペシャル』の第一夜「地方紙を買う女」では、主演の田村正和さんを食ってしまう演技を見せていましたね...。以前は少し苦手な女優さんでしたが・・、
高畑さん演じるちょっとコミカルな李朱美とカナコとナオミ3人のやり取りの場面で見せた広末さんの何ともいえない嬉し悲しい表情は特に印象に残りました。
そんな中、"紅一点"の逆をいく佐藤隆太さんの演技も見逃せません。
ドラマ前半部のカナコのDV夫・服部 達郎のいかにも執念深そうで粘着質な夫を演じたかと思うと、後半は不法滞在者としておどおどしながら生きている中国人林竜輝をこれまた見事に演じて見せてくれました。林竜輝役では、カナコに対する真摯な想いと弱々しい態度の中にも意志(芯)の強さを、彼の“目”(視線、目の動き)から感じとることができました。
このドラマが成立するためには、そして私たちがナオミとカナコ側に感情移入するためには、佐藤隆太さん演じるDV夫がいかに酷い奴で、この夫から逃れるためには奴を殺す以外手はないと思わせてくれる演技が必要でした。それを彼は見事にやり遂げたと思います!
登場人物すべての役柄を申し分ない俳優さんたちが、その物語を最後まで演じ切って見せてくれました!
『ナオミとカナコ』ラストシーン
ナオミとカナコが羽田空港国際線で上海への出国手続きを済ませ、「安堵」と同時にこれから始まる新しい人生への「希望」をその表情に浮かべながら二人で歩くシーン。これまでずっと二人の共犯者として応援してきた私ですが、このまま捕まらずに逃げ切ってくれ!という切なる願いと同時に、最後の最後にきて、どこかに、このまま本当に逃げおおせていいの!?という自問自答!葛藤!が湧き起こってきて・・。
ドラマに感情移入するって、こういうことなんですね(''◇'')ゞ
逮捕状が発行され追いかけてくる警察!
叫ぶ服部陽子(吉田羊)!※ずっとあの黄色いコートが印象的でした!
そして・・・、
結末は、完全には明らかにされませんでした。
それに不満やもどかしさを感じる方もいるだろうと思います。白黒はっきりしてくれと!
しかし、このドラマの原作者である奥田英朗さんのクライムノベルの特徴は、完全なハッピーエンドでもバッドエンドでもない形が多いのです。それは、何とも表現できない後味であるものの、決して不快(不愉快)ではないのですね。
結末よりも、そこに至るまでの人間ドラマを堪能する、そこが醍醐味なんです!
奥田英朗さんの代表作である⇒『最悪』 (講談社文庫) 。『邪魔(上・下)』 (講談社文庫) (by Amazon)も同じような感じでした(サスペンスとしては『ナオミとカナコ』よりももっとスリリングですよ!(^^)v)。
同時に、彼のもうひとつの得意ジャンルである心理(精神)物語/精神科医・伊良部シリーズの「イン・ザ・プール」や、直木賞受賞作「空中ブランコ」など、ちょっと壊れかけた人間を描くのが最高にうまい作家さんで、今回もそうした壊れていく(それは、常識や思い込み、偏見にとらわれなくなるといったいい意味も含む!?)人間を見せてくれました。
以前の記事で書いたのですが⇒奥田英朗さんは、“どこにでもいる普通の人が、どこにでもありそうな・ありがちな状況から、何かのきっかけ、ちょっとしたはずみで、"普通"から"異常で特殊な"状況(世界)に足を踏み入れていく様を描くこと。それが上手い!”
この『ナオミとカナコ』もまさにそんなドラマでした。
⇒ 2016【冬ドラマ】『ナオミとカナコ』5話感想 "動き始めた犯罪!! あなたも共犯者!?"
『ナオミとカナコ』
いろんな感情(怒り、悲しみ、恐怖、焦り、勇気、後悔、愛しさ、幸せ、)を私に喚起させてくれたドラマでしたが、一番最後に湧き起こったそれは、"切なさ"でした!
今、なぜか切ない気持ちで一杯です!
『ナオミとカナコ』なんへん
冬ドラマ『ナオミとカナコ』最終回 なんへん:61
※最終回だからどうとか、結末がどうとかってドラマではなくて、これはここまで二人と一緒に犯罪を共有し、ドキドキしながら行く末を楽しむことができた視聴者だけが満足できるドラマ。そんな異質なドラマだったのかなぁと思いました。=================
『スペシャリスト』
毎回、二転三転するストーリーで楽しませてくれた『スペシャリスト』最終回も予想外の真犯人を持ってきましたね!(;・∀・) しかもダブルで!?^_^;
先週感想をアップしましたが、いささか荒唐無稽な物語をどこまでリアリティを持たせて作り上げることができるかは、脚本、演出はもちろんですが、演者の力が必要だと!
⇒ 『スペシャリスト』第9話感想 《草なぎ剛という役者について》
独特の存在感を持つ"草なぎ剛"という役者さんは、最終回でもその個性を十分見せつけてくれました。
このドラマの凄いところは、結局すべては「宅間善人」を中心に回っていたということ。
一人ひとりが重要な役どころを対等に演じあった『ナオミとカナコ』と違って、『スペシャリスト』では、草なぎ剛さん以外の役者さん(南果歩さん、芦名星さん、平岡祐太さん、夏菜さん、吹越満さんら)は、見事に脇役に徹してその役目を終えたような気がします。
もちろん、脇役といっても、そのうち一人でも浮いてしまうと、そこが気になって仕方がないですけど!
それと、脇役と言っても、その中の誰が欠けても『スペシャリスト』は成立しなかったと思います。
このドラマも「役柄とキャスト」が上手くハマったドラマだったと!
いつもの決めゼリフ!進化を遂げて、今回は最終回にふさわしい台詞をぶち込んできました。
“分かるんですよ、だって10年入ってましたから”⇒ “分かるんですよ、だって10年10ヶ月入ってましたから”に変わって、
そして、ラストはすぐに姉小路だと分かるエピソードを入れて何気に感謝を表し言います!
“分かるんですよ、だって2年10ヶ月一緒にいたんですから”
う~ん、そうきたか~!って、思いました。
ちょっとくさ過ぎるかも知れませんが・・、見事にやられましたね・・!(^-^)
『スペシャリスト』ラストシーン
浜辺でひとり座り、これまで泣けなかった分の涙を流し続ける宅間善人。病室で昏睡状態のまま眠り続ける元妻美也子(紺野まひる)。
それをじっと見守る姉小路千波(南果歩)。
切ないラストになるかと思った直後・・・、
宅間のもとに手を振りながら駆け寄る姉小路。
ホッと胸をなでおろした瞬間でした!
・・("^ω^)
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では、『スペシャリスト』最後のなんへんです。
冬ドラマ『スペシャリスト』最終回 なんへん:61
※これで『スペシャリスト』は本当の最後となってしまうのでしょうか!?連ドラとは言いませんが、スペシャル版でまた戻ってきてほしいですね( ^^)~~
以上
Mr.なんへんでした。