第88回アカデミー賞で最多6部門を受賞した『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
《衣装デザイン賞、美術賞、メイク・ヘアスタイリング賞、編集賞、音響編集賞、録音賞》
昨年6月、30年ぶりの新作マッドマックスは、また物凄い(という形容ではあまりに平凡で陳腐ですが、正直“モノスゴイ”と言いたい)映画になって戻ってきました!
上映が終わり劇場から外に出た時、スクリーンに映し出されていた狂気の世界と目の前に広がる現実世界の風景とのギャップに頭がついていけず、しばらく放心状態で帰途についたことを思い出しました。
もし6月に当ブログを始めていたら、間違いなく一気に感想をアップしていたと思います!
しかし、あれから既に8ヶ月が過ぎ、あの時の驚きと興奮の感想を今更書く気分にはなれません。いや、書けませんというのが正直なところ!
しかし、これも今更の事実なのかもしれませんが、こちらの記事を読んで感じた疑問は誰かと共有したくなりました。
その記事とは ↓(著者:岩崎昌子)
『なぜ?当然?「マッドマックス 怒りのデス・ロード」が高評価を受けたこれだけの理由』
-完成までのその数々の苦難(という形容ではこれまたあまりに平凡で陳腐ですが^^;)がつづられています-
まとめると ↓
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1998年。ジョージ・ミラー監督がマッドマックス4作目の着想を得て脚本を書き上げる。
争いの主目的を、それまでの油(ガソリン)から“人間”にシフトさせた。
2001年に撮影をスタート。
しかし、9.11のテロで米ドルが暴落。その影響で製作を中止せざるを得ない事態に追い込まれる。
2003年 スタジオを20世紀フォックスからワーナー・ブラザースに変えてプロジェクトを再開させるも、イラク戦争による世界情勢の不安定感を背景に、予算を十分に確保できず、映画製作そのものが暗礁に乗り上げてしまう。
さらにメル・ギブソンのスキャンダル、新マックスとして白羽の矢を立てていたヒース・レジャーの急逝など、キャスティングも難航を極めた。
トム・ハーディがマックス役に決定したのは2009年
さらにさらに苦難は続く!
2011年 撮影予定地のオーストラリア・ブロークンヒルにまさかの《大雨》。
荒野だった土地には池ができ、美しい花が咲き乱れてしまうという予想外のアクシデントに見舞われ、ロケ地をアフリカ・ナミビアのナミブ砂漠に変更せざるをえなくなる。
2012年7月から約5ヶ月に渡って撮影が行われる。オーストラリアでの追加撮影分も加えると、フィルムの総数は480時間にも及ぶ。そのすべてを観るのに3ヶ月を要す。
編集を担当したジョージ・ミラー監督の妻、マーガレット・シクセルが撮りためた渾身の映像を、480時間を費やして精査し、その上で478時間分を切り落としてようやく完成させた。
着想から完成まで約15年!!(@_@;)
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そこで感じた疑問は、
“なんで、そこまでして撮るんだ?”です。
ジョージ・ミラー監督71歳。1979年公開のマッドマックスから36年の間にマッドマックス以外の監督作品は、たったの下記6本。
・トワイライトゾーン/超次元の体験(1983年)
・イーストウィックの魔女たち(1987年)
・ロレンツォのオイル/命の詩(1992年)
・ベイブ/都会へ行く(1998年)
・ハッピー フィート(2006年)
・ハッピー フィート2 踊るペンギンレスキュー隊(2011年)
ファミリー映画「ベイブ」やCGアニメ「ハッピーフィート」を製作や監督した時は、随分と丸くなってしまったなぁと思ったものでしたが・・("^ω^)、
まさか、「ベイブ/都会へ行く」を監督していた時には、新たなマッドマックスの構想を得て、新作の野望を抱いていたとは・・!!
ただ、そこまでは誰でもあること。
そこから多くの苦難を乗り越えて「実現」させてしまうって・・!!
決してあきらめない
その執念!
その信念!
そのパワー!
素晴らしいの一言ですが、
彼をそこまで突き動かすものとは・・?、一体!?
幾つかの監督インタビューを読んでみたものの、その問いに対する明確な答えは見つけられませんでした。(どこかに掲載されているかもしれませんが・・、見つけられず)
まあ、そんな問いは愚問であり・・、いや、もしかしたら本人に聞いても本人すら分からないのかもしれません。
・・、
・・・、
・・・・、
映画に限らず、
何か一つのことを生み出す、追い求めるって、明確な理由などないのかもしれませんね・・(^_^;)
凡人には分からないす(汗;)
今回のアカデミー賞最多6部門受賞の栄誉は素晴らしいですが、残念ながら「監督賞」「作品賞」は逃しました。
こうした『アクション』映画が受賞するのは難しいのかもしれませんが、一歩間違えれば単なるB級映画になりうるテーマをここまでリアリティ(真実性)のある真摯な作品に仕上げてしまうとは・・、『ドラマ』というジャンルの作品以上に難しいと思うわけです。
マッドマックスが、「監督賞」や「作品賞」にノミネートされうるまでの芸術作品にまで昇華されたのは、単にアクションを撮っただけではなく、“人間”の本性を描き(暴き)出したからですよね。
また、この映画のテーマはいろいろあると思うのですが、強く感じたのは、人間の根源的な“自由”への渇望!息苦しくなるほどの渇欲!その(自由)ために人はどう行動し、どう生きようとするのか!?
とってもシンプルなテーマだと思うのですが、それを凄まじいカーアクション(娯楽作品として)と共に見せてくれるのですから、これはもう一瞬足りとも目を離すことなんて出来ません!
※単なるクレージーなアクション映画だと思ってまだ観ていない方はいませんか!? それは非常にもったいないです!ぜひご覧ください!
アカデミー作品賞に輝いたのは『スポットライト 世紀のスクープ』でした。未見(4月15日公開)なので比較はできませんが、というか、『スポットライト 世紀のスクープ』と『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を並べて評価することがそもそも“変”ではないかと思うくらいです。
(・。・;
ジョージ・ミラー監督が人生の大半を捧げた『マッドマックス』
そんな監督はもちろんですが、この作品を息苦しいまでに緊張感ある作品にしてくれたのは、二人の役者さん。
トム・ハーディ(38歳)とシャーリーズ・セロン(40歳)
その圧倒的な存在感。トム・ハーディーのあの無骨な男くさい感じは、ワイルドだけど繊細な面も持ち合わせた二枚目俳優メル・ギブソンというより、若かりし頃のラッセル・クロウを思い出しました。
※1997年彼が33歳の時の『L.A.コンフィデンシャル』の感じになんか似てるんだよなぁ。
※きっと彼(トム・ハーディー)は近いうちにアカデミー賞獲るでしょうね! とっても好きな役者さんなので、今から「レヴェナント 蘇えりし者」(4月22日公開)も楽しみです!
シャーリーズ・セロンさんは、ご存じの通りアカデミー主演女優賞を受賞している女優さん。
そんな方が、わざわざスキンヘッドにまでして過酷な砂漠のロケに挑むということだけでもアクション大作映画、B級娯楽映画ファンとしては、嬉しい限りです。
いやなんか、オスカー女優って、お高くとまりそうなイメージがあるじゃないですか!?(ないですか?^^;)
そこいくと、スノーホワイト、プロメテウス、そしてマッドマックスと、失礼ながら決してオスカーを狙えそうな作品ではないですからね。でもそんな作品に出演し続けてくれる(^_^;)
そんなシャーリーズ・セロンさんが好きです!
では、“なんへん”にいきます!
映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』なんへん:66
※さらに、続編への意欲をみせているジョージ・ミラー監督71歳。“なんで、そこまでして撮るんだ?”なんて愚問でしたかね(^^ゞ。衰えるどころかさらに過激さを増すマッドな世界を期待しています!
関連記事 ⇒ 来春(2016)観たい気になる『洋画』 7本!( ´∀`)
以上
Mr.なんへんでした。