『大恋愛~僕を忘れる君と』感想!《加筆12/20》戸田恵梨香とムロツヨシは記憶に残る二人になれますか!?

目 次

第3話感想《ラスト1秒の衝撃》

第4話感想《たわいもない喧嘩が思わぬ展開へ》

第5話感想《脳みそとアップルパイ》

第6話感想《幸せって長くは続かないもの!?》

第7話感想《自分だったらどうする!?》

最終話感想《切なく優しく明るく静かに...》
「恋愛ドラマや恋愛映画」に最も大切なもの、気になること

それは、当たり前だけど、やっぱり主人公となる二人が誰なのか、誰が演じるのかっていうこと、だと思います。

心に残るラブストーリーには、必ず心(記憶)に残る二人がいるはず!

例えば、ドラマでは、
恋愛ドラマ:記憶に残る二人の役者
『東京ラブストーリー』鈴木保奈美織田裕二(1991冬フジ月9)
『愛していると言ってくれ』常盤貴子豊川悦司(1995夏TBS)
『ロングバケーション』山口智子木村拓哉(1996春フジ月9)
『やまとなでしこ』松嶋菜々子堤真一(2000冬フジ月9)
『オレンジデイズ』柴咲コウ妻夫木聡(2004春TBS)
『世界の中心で、愛をさけぶ』綾瀬はるか山田孝之(2004夏TBS)
『失恋ショコラティエ』石原さとみ松本潤(2014冬フジ月9)
『デート~恋とはどんなものかしら~』長谷川博己(2015冬フジ月9)
『世界一難しい恋』波瑠大野智(2016春日テレ)
『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』中谷美紀藤木直人(2016春TBS)
『逃げるは恥だが役に立つ』新垣結衣星野源(2016秋TBSドラマ)
『ダメな私に恋してください』深田恭子ディーン・フジオカ(2016冬TBS)
『過保護のカホコ』高畑充希竹内涼真(2017夏日テレ)
そして、映画(洋画)では
洋画版:記憶に残る役者二人
『ゴースト/ニューヨークの幻』デミ・ムーアパトリック・スウェイジ(1990年)
『ホリデイ』キャメロン・ディアスジュード・ロウ(2006年)
『イルマーレ』サンドラ・ブロックキアヌ・リーブス(2006年)
『世界一キライなあなたに』エミリア・クラークサム・クラフリン(2016年)
『ラ・ラ・ランド』エマ・ストーンライアン・ゴズリング(2016年)
『タイタニック』ケイト・ウィンスレットレオナルド・ディカプリオ(2012年)
などなど(;^ω^)

もちろん、ストーリーは重要です。二人が恋愛に発展する時代、場所、職業、環境、背景など、様々なシチュエーションがあってはじめて物語は動き出します。

ですが、後になって思い起こされるのは、ひとつの場面、映像であり、それはやっぱり主役の二人の“顔”“姿”なんです。

その“顔”が、笑っていたり怒っていたり泣いていたり悲しんでいる、そんな場面の映像!

記憶に残るのは、ガッキーの困った顔、星野源の焦っている表情、嬉しそうな石原さとみの笑顔や怒っている中谷美紀、はにかんだ笑顔のキムタク、泣いている竹内涼真。船首に立つディカプリオとウィンスレット....、

とかとかね。

そして、そんな中にエントリーしそう、いやきっとするだろうドラマが生まれるかもしれません。

『大恋愛~僕を忘れる君と』です。

このドラマを見ている人にとっては、間違いなく印象に残るであろう“顔”を見せてくれているのが、主役の二人。

戸田恵梨香ムロツヨシ

名作恋愛ドラマの『例』として紹介する中に、今後、『大恋愛~僕を忘れる君と』戸田恵梨香ムロツヨシ

と、加えねばなりません。そんな予感がしています。

二人の出会いはかなり強引な偶然で(まあ、人の出会いなんて全て偶然と言えば偶然ですけど....)、それはいいのですが、なぜ戸田恵梨香ムロツヨシを好きになったのか・・、そこがよく分かりません。

簡単なドラマのあらすじ

レディースクリニックに勤務する女医北澤尚(戸田恵梨香)は激しい恋をしたことはないが、年上の医師である井原侑市(TOKIO/松岡昌宏)との婚約が決まり、仕事もプライベートも順調な日々を過ごしていた。結婚式まで1ヶ月と迫り新居へと引っ越すことになったある日、引っ越しのアルバイトでの新居に来た間宮真司(ムロツヨシ)と出会う。その時、真司は引っ越しの荷物の中に一冊の小説「砂にまみれたアンジェリカ」を見つける。それは、の大好きな小説であるのだが、その作者こそ、今はアルバイトで生計を立てている真司であった.....。
--------------
いくつかのエピソード(引っ越し先での水漏れ、居酒屋での実況中継、そして小説の作者であることの告白など)を経て、
と言っても、わずか数時間(1日)の話だけど、は、彼のことを運命の出会いと感じるようになっていきます。



確かに“運命の出会い”かもしれません。だって、大好きな小説の作家さんが、偶然自分の引っ越しに居合わせたのですから...、しかしそれが、“好きになる”=恋愛感情となるには、ちょっと強引なような気がします。

婚約者である井原侑市(TOKIO/松岡昌宏)に対して大した恋愛感情はなく、それは井原侑市も同じこと。
にもかかわらず結婚を決めた二人。
子供を作り良き家庭を築くためのパートナーとしての割り切った関係。ちょっと打算的関係

その“反動”が、を突き動かした!のかもしれません。

でもね!、でもね!!

相手は、ムロツヨシですよ!(;'∀') って....、ホントに恋に落ちるの!?......って、思ったわけです。

いくら好きな小説の作家であったとしても..、んな分けないでしょ!?って言うツッコミと共に。

かし....、

ドラマが進むにつれて、(戸田恵梨香)が真司のことが好きなんだということがジワジワ伝わってくる。理由はよく分からないけど・・、真司のことが忘れられなくなっている。

人を好きになってしまうことに、理由なんていらない!そんなことを改めて感じさせる・・。

それを演じてみせる戸田恵梨香、恐るべし!('◇')

そして、基本、コメディで活躍しているムロツヨシさん、42歳。恋愛ドラマとして見ているこちらとしては、彼の真面目な演技に戸惑いから入り、変なセリフでやらかすんじゃないかとヒヤヒヤしながら見続けているうちに、(私の脳みそがおかしくなってきたのかもしれませんが)

後半、ムロツヨシさんがちょっとカッコよく見えてきた(笑)。

多くのコンプレックスを抱える真司は、世間に対して斜に構えています。その彼の態度が、尚との出会いでちょっとずつ変わっていく。その変化を見せてくれるムロさんの演技は新鮮ですね。

第2話では早くも尚の脳に異変が生じてきます。若年性アルツハイマーの前段階との診断をくだされ、ショックを受ける

診断された後の戸田恵梨香さんの演技は心に響いてきます。心の起伏を彼女は、豊かな表情と声のトーンで伝えてくる。気持ちよく伝わってきます。

ストーリー展開が早いので(第2話で)、イライラせず見ることが出来ますし、今後の展開(若年性アルツハイマーといかに向き合い、そして、井原侑市(松岡昌宏)と尚と真司の関係は!?)が予想できそうで出来ないのがまた楽しい。

脚本は、大石静さん。これまで、「家族狩り」や「家売るオンナ」なんていう過激な社会派のドラマを手掛けつつ、「セカンド・ラブ」とか「コントレール〜罪と恋〜」なんていう重たい恋愛ものを生み出してきた女性ならではの視点で、これまでと違った“恋愛と難病”を見せてくれるのか、今秋楽しみな作品の一つです。

2018【秋ドラマ】主演から読み解くオススメ17本《なんへん指数》!

と、以前ご紹介した以上の素敵な作品になりそうです。

では、第2話までのなんへんです。

『大恋愛~僕を忘れる君と』なんへん:59

以上

プロの役者さんの仕事ですね
 

第3話感想《ラスト1秒の衝撃》

突然ですが、この夏、田舎に帰った時の話をします。

両親ともに80歳となり、最近、特に母の物忘れが激しくなってきたなぁと感じていました。
何度も同じ話を繰り返すし(それもなぜか自分が中高生の頃のはなし(;^ω^)、いつ帰るの?って何度も聞いてくるし・・、
その都度、まあ、もう歳だからなぁって、

自分もこの頃人の名前をよく忘れちゃうしなぁ~、
なんて....、特に気にも留めていなかったのですが...、

4泊5日の帰省最後の日、母に見送られて家を出ました。特急列車に乗って(約3時間半)新宿に着いたとき
スマホに実家からの着信履歴が。何か忘れものでもしたかな? と...、すぐに折り返しの電話をしたのです。

母親が出ました。

そして、こう言ったのです!

母:あれ、出かけたの?

私:えっ、!? 今はもう新宿だよ・・。

母:なんで!?、あいさつもしないで・・・、

いやいや、見送りしてくれたじゃん!って、私。

あれっ、そうだっけ!? と、母は言ったものの

少し戸惑っていました。そして、真剣に自分の記憶をたどっているようでした。

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たった3時間半前の事なのに...、私はちょっと、いや、かなりショックでした(;´・ω・) 同時に少し切なくなりました。

「認知症」という言葉が浮かびました。
ちなみに、「認知症」は病名ではなく、認識したり、記憶したり、判断したりする力が障害を受け、社会生活に支障をきたす状態のこと。この状態を引き起こす原因にはさまざまなものがあり、そのひとつがアルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)
高齢化社会でアルツハイマー型認知症患者が増加なんてニュースをよく目にしますが・・、所詮他人ごとでありました。

あの瞬間までは・・。
はい!ドラマの感想からかなり脱線してしまいましたが、

なぜ、そんな田舎の話を突然思い出したかって言うと、『大恋愛~僕を忘れる君と』第3話のラストの一言

あの時の衝撃と言うかショックがよみがえったからです。

もちろん、状況は全く違って、私は母に言われたひとこと(しかもかなりの高齢)。

真司(ムロツヨシ)は、(戸田恵梨香)=恋人に言われたひとこと。その衝撃度は計り知れないと思いますが。
まったく予期していなかったひとことを相手に言われた時の、その、その衝撃、インパクト、ショックは計り知れないんだと、あらためて思ったのです。

《ラストのセリフ》(ネタバレ注意)

真司:好きなんだ...、好きと嫌いは自分じゃ選べないけど、好きになっちゃったら、どんな尚ちゃんだって、好きなんだから

:何も言い返せない尚、目に涙がたまり、思わず真司に抱きつく

真司:尚ちゃん

:好き!侑市(ゆういち)さん

それまで流れていたBGMが、ピタ!っと止まる

真司:・・・・、

-静寂-

それが病気のせいだと、分かってはいても・・・、でも、切なく悲しく

『大恋愛~僕を忘れる君と』第3話 なんへん:59

二枚目ムロツヨシにはまだ慣れませんが(抵抗がありますが(笑))、戸田恵梨香さんの演技はさすがですね(;^ω^)

以上
第4話感想《たわいもない喧嘩が思わぬ展開へ》

TBSのドラマとフジテレビのドラマの大きな違い

それがこの『大恋愛~僕を忘れる君と』でも大きな効果を生んでいます。

今さら言うことでもないのですが・・、

それは、ドラマの世界観を生み出している舞台設定の違いです。

もっと具体的に言うと、シーンによって重要な役割を果たすセット(大道具・小道具)ですね。

主人公「間宮真司」を作り出しているのは、ムロツヨシだけではありません。間宮真司が住んでいる木造モルタル2階建てアパートであり、1DKの部屋であり、一口コンロであり、さらに、バランス釜のお風呂なんです。

※若い方(~30代前半まで?)は知らないでしょうが、バランス釜のお風呂は70,80年代のアパートには普通にあったのですよ(;^ω^)

それが、真司の部屋にあるということは、あのアパートは少なくとも築30年以上は経っているということが分かります。非常に細かいことですが、それで間宮真司の“生活”を察することが出来ると...。

これがフジテレビだとどうなるか?

きっと(これは私の勝手な想像ですが...)、真司という人物像や経済的な懐具合は変わらなくても、ワンルームのちょっとこじゃれた部屋を用意してしまうと思うのです。ディテールにこだわるのは同じだとしても、そのこだわり具合の質が違う。

それが、いいとか悪いとかではないけれど、間違いなく「局」の違いがあると思います。

ただ、この十数年フジテレビのドラマが低迷しているのは、そんな世界観づくりが、平成という時代にマッチしていないんじゃないか、なんか嘘くさいなぁと感じて敬遠される…、そんな気がします。

さて、第4話です。

脚本の大石静さんが上手いなぁと思うのは、ラスト二人の喧嘩に発展していくシーンです。

“たわいもない会話”が喧嘩に発展していく過程を本当に自然にリアルに描き出していきます。

あん時、なんであんなこと言っちゃったのかな!?、 別に言うつもりなかったし、それどころか、言っちゃいけないって....、思っていたのに。

つい、ホントに、“つい”言ってしまった!

そういう時ってありますよね。

真司:やっぱりあの先生(井原侑市(TOKIO/松岡昌宏))は、尚ちゃんにとっていなきゃならない先生なんだな...、

:え!?

真司:尚ちゃんは心の中で俺より井原先生を頼りにしてるよ。

:なにそれ!?

真司:そう思うんだ

:井原先生は本当にいい先生よ。でも、好きと嫌いは選べないんだもん。好きなのは真司なの!どうしても真司なの!

真司そうかな・・。この前俺のこと“侑市さん”って呼んだよ!

:そういうこと言わないでよ。あたしは病気なの。そのうち自分が誰だか分かんなくなっちゃう病人なのよ。名前間違えたくらいでいちいち文句言わないでよ!だいたい間違えたらその時言ってくれたらいいじゃない!黙ってて今言うなんて、陰険だよ!

真司:そんなこと言いたくないよ!いやだよ!前の男の名を呼ばれた俺の気持ちだってあるんだから

二人とも真顔になって、そしてだんだんと涙目になっていく。

:そっちだってあたしの気持ちわかってない!

真司そもそも、俺とのことだって、病気のせいで恋に落ちたと思い込んでるだけじゃないの!?

:はぁ!?

真司:考えてみればおかしいよ!婚約しててもうすぐ結婚するっていうのに、いきなり俺のこと追いかけてきて、こんなボロアパートに、転がり込んでくるなんて...、尚ちゃんの中で、病気と恋がごっちゃになってんだよ!

お互い見つめあい、言葉が出ない

:はぁ.......、言葉が出てこない。 話になんないわ。

机の上を整理し始める尚。それを見て我に返る真司。

:必死で涙をこらえ.....、

何も言わずに部屋を出て行く尚。それを止めようともせず。ただ前の壁をみつめている真司。

ーーー

部屋を出てひたすら歩いていく尚の前に侑市が・・。そこで我に帰る尚。アパートに戻る尚。そしてラストは…、

-----------------------

真司のセリフです。

真司そうかな・・。この前俺のこと“侑市さん”って呼んだよ!

真司そもそも、俺とのことだって、病気のせいで恋に落ちたと思い込んでるだけじゃないの!?

心にずっと引っかかっていたこと。気になっていたこと。言いたい!! でも、それを言ったら・・・、もしかしたら壊れてしまうかもしれない。

だから言わなかった。けど、“つい”言ってしまった!

自分のコンプレックスやプライドなど、わき上がる感情の前ではなんの歯止めにもならない状況!

「後悔先に立たず」「覆水盆に返らず」って奴です。

でも、言っちゃうんですよ!

そして、売り言葉に買い言葉!

感情が先走ると、悪い方向に行ってしまう典型を、大石静さんは見事にセリフで表現し、そして、演者の二人が見事に演じ切った。

そんな第4話でした。

『大恋愛~僕を忘れる君と』第4話 なんへん:60

真司(第3話のセリフ):好きと嫌いは自分じゃ選べないけど、好きになっちゃったら、どんな尚ちゃんだって、好きなんだから...

尚(第4話のセリフ):でも、好きと嫌いは選べないんだもん。好きなのは真司なの!どうしても真司なの!

はたして、そうでしょうか!?

次回はこちらを考えてみたいと思います。

以上
第5話感想《脳みそとアップルパイ》

第5話は、前週の“突然の別れ”のシーンから始まり、真司のまさかの単行本出版へ

怒涛の展開!

尚は相変わらず真司との別れが尾を引き、ほとんどうつ状態。死を考えるまでに落ち込む姿が痛々しい。

そんな時、立ち寄った本屋さんで見つけた一冊の本。

タイトルは、『脳みそとアップルパイ』

ページを開くとそこに書かれていた序文

-共に砂漠を歩こうとしてくれたNさんに捧ぐ-

これは...、買わずにはいられないでしょうね
(;´∀`)

見晴らしのいい公園のベンチに座って尚はページをめくる。つい数か月前の真司との思い出がフラッシュバックする。

ただ、尚の表情は相変わらず暗く、放心状態が続いている感じ。切ない。


彼女はあの頃から、いつも急いでいた。まるで何かに追われるように、いつもいつも走っていた。
人は誰しも、残りの持ち時間に追われている。そして死に向かって走っている。だからと言って、そのことを普段は意識はしないものだ。
でも、彼女は違った。生まれた時から、残り少ない持ち時間を知っているかのごとく、全力で走っていた。彼女には、婚約者がいた。若年の女性には珍しいであろう、いわゆるお見合いという形で出会った二人には、共通点があった。その共通点は、思いの外二人の距離を近くさせた。
・・・
快速特急ホントに降りられんの。降りたとしても道じゃないよ、砂漠だよ。砂漠歩けるの、と聞くと、彼女は即座に「歩く」と、答えた。
次の瞬間、彼女の頭が俺の頭めがけていきなりぶっ飛んできて、気がつくと、俺たちは長いキスをしていた。
もうこのくらいかな、と思って顔を離すと、彼女は俺を見つめたまま、あっち行こ!と、ベッドを指さした。
もう一ヶ月近くシーツも枕カバーも換えていないベッドに行くのは躊躇されたが、他に行くところももはやなかった。
後半のシーンを読みながら、思わず笑みがこぼれる尚。

そして次は喫茶店。あの木南晴夏との共演。(勇者ヨシヒコファンにはたまらないけど、いつメレブとムラサキの貧乳ギャグが飛び出すかとひやひやものでした(笑)

小説『脳みそとアップルパイ』はベストセラーとなり、侑市(松岡昌宏)の目にもとまることに・・。

尚と同時に侑市も同じ小説を読み進めていく。

上手い演出ですね。

ラスト。

二十年間、書きたいネタも書きたい言葉も、何ひとつ思い浮かばなかった。その俺に、もう一度小説を書きたいと思わせた女・・、そのかけがえのない女の運命の相手は、俺ではなかったのだ。彼女は俺に、再び小説を書かせるために、神が使わしてくれた女神だったに違いない。

彼女は、病気を発見してくれた主治医と一緒になって静かに守られながら過ごしていると、どこからともなく聞こえて来たが、その後の彼女の消息は何も知らない。

読み終えた尚の目から涙が止まらない。

しかし、その表情はさっきまでのうつろな表情とは違い、感情のこもった、今を生きている人間の顔だったように思う。
尚を演じる戸田恵梨香さん。感情の起伏を自然に演じてみせることができる女優さんですよね。一言で言うと、“わざとらしくない”ってことだと思います。

同時に、侑市も何かを察したかのような表情に。

松岡昌宏さん、あまりセリフのない役ですが、目と細かい唇の動きでその時の感情や思いを伝えてくる。エリートでドライな医者という役がピタッとハマっていて、ジャニーズ役者の枠を超えていますね。いいです!

後半、居酒屋で、真司と尚の再会シーン

なんか、我がことのように、ドキドキしてしまいました。

二人のセリフの一言一句、表情から目が離せない。

そして、胸が苦しくなるような緊張感の中に、居酒屋の店員さんが赤ちゃんをおんぶして登場...、笑える(;^_^A、

冒頭の別れのシーンから、9ヶ月後の再会まで、無駄なシーンが一切なく、考え抜かれたセリフと編集。見事な脚本と演出には拍手です(^ω^)。

それにしても、真司が身を引いたのは、尚のことを想ってのことだったのか、男のちょっとした嫉妬だったのか....、

まあ、ハッピーエンドですべてよし。ってことで。

次週からの物語は、若年性アルツハイマーに焦点が移っていく、と思わせておいて、また別の展開が待ち受けているのか...、ますます楽しみなドラマになってきました。

第5話“なんへん”です。1ポイントアップ!

『大恋愛~僕を忘れる君と』第5話 なんへん:61

第6話感想《幸せって長くは続かないもの!?》

冒頭から・・、新居に引越し、新生活をはじめた尚と真司。幸せな日々、生活が描かれていきます。

引越しのアルバイト生活から今やベストセラー作家となりマスコミにも取り上げられるまでになった真司とそれを支え、それが生きがいとなっている尚は、これ以上ないというくらい完璧な幸せを手に入れたように見えます。

もちろん尚の病気のことはお互い意識はしていても、それは地雷のごとく隠されていて表面には現れず。触れなければ、この幸せは永遠に続くかのようです。

でも、こうしたちょっと浮ついた幸せって、何かの拍子に一気に崩れたりするもの。ではないですか!?

それが、ドラマであっても、現実の世界であっても...、同じだと思うのです。

では、その“何かの拍子”って、いったいどんなことでしょうか。

真司が尚に言います。

真司:尚ちゃん、子供つくろう

尚:えっ!? そんなこと考えてたの?

真司:だって俺捨て子だろ、親も知らないし家族も知らないし、尚ちゃんと二人で親になって、親子というものを経験したいんだ。

尚:真司と私だけじゃ家族じゃないの?

戸惑う尚。病気をことを考え将来に不安を覚える尚は、終始暗い表情で答えていきます。

何気に発した言葉(尚ちゃん、子供つくろう)が、二人の関係をギクシャクさせることって、ありますよね!

ただ、そんなお互いの想いのズレは、ようやくつかんだ幸せの前では、大した問題ではありませんでした。

お互いを思いやる気持ちが上回っていたということです。

しかし、嫌な予感がしたのは、

やはり、病院で松尾公平(小池徹平)と出会った瞬間に訪れました。

だって、なんか、いかにも怪しいだもん!(;^ω^) 公平は!!

胡散臭いにおいがプンプンでしょ!? 一瞬見せる狂気の目つきとキラースマイルがね('ω')

いやもちろん、ドラマとしては最高に面白くなってきました。このまま、ただ幸せな家庭を見せられても、また、病状が進行していく尚の姿を見続けるのも大して面白いものではありませんからね...。

そして、ラスト(またまたラストに)、驚きの展開が用意されていました。

公平の狂気は、ただ事ではありません。公平を演じる小池徹平さんは、好青年を演じるより、こうしたちょっとダークサイド的な一面を持つ役柄を演じさせると、ハマりますね!



第6話前半の幸せいっぱいの前振りは、このラストの衝撃のために見せられたおとぎ話といっても過言ではないでしょう。

いや~、第7話も目が離せなくなってきました!

第6話“なんへん”です。

『大恋愛~僕を忘れる君と』第6話 なんへん:61

じわじわときています!
第7話感想《自分だったらどうする!?》

感情移入が止まらないドラマになってきました(;'∀')

ドラマの見方っていろいろあると思いますが...、

一つは「リーガルV」や「相棒」のように、何も考えることなくそのストーリーや役者さんの演技を楽しむというドラマ。もうなんにも考えずにただ見て笑ってスッキリするって言えば、これはもう『今日から俺は!!』がNo.1ですね!(笑)

そんなドラマがある一方で、ドラマの主人公たちに感情移入、共感して自分も一緒にドラマの世界に入り込んでしまうドラマもあります。

今クールでそんな感じで私が見ているドラマは2本。1本はフジの僕らは奇跡でできている。そしてもう1本がこの『大恋愛~僕を忘れる君と』ですね。

結末が予想できそうなとても哀しいラブストーリーですが、主人公真司ムロツヨシさんのキャラのおかげで笑いながらこれまで見て来られました・・。

7話まで来て、ムロさんにも慣れ(笑)、いよいよの病状が進んでくると、いやこれはもう自分が真司だったらどうするかな...、どうしたらいいの?って、なってきました
(;´∀`)

もちろん、尚の立場だったら...、とか考えると、あっという間にドラマの時間が流れていきます。

そして、そんな感情にしてくれるのが、役者さん達の演技です。

すべての役柄と演者が見事にハマっていて、何の違和感もなく見られます。

真司のアルバイト先の上司だった木村役の「サンドウィッチマン」富澤たけしさんは、これが芸人役者さんとして安心して見ていられる“立ち位置(ポジション)”だと感じますし、尚の母役の草刈民代さんも素晴らしい。TOKIOの松岡昌宏さんは、ドラマ以外「ザ!鉄腕!DASH!!」ともう1本くらいしかないのかな?、とにかくジャニーズ役者にありがちなバラエティ臭がないのが役者としての存在価値を上げてきていると思います。登場人物の数が少ないのもいい。

そして、前回から出ている小池徹平さんの不気味さは半端なく、その演技には注目ですね。

さらに、役者さんたちの演技に加え、さりげない二人の会話のシーンが心に刺さります。

公園のベンチで二人仲良く黒酢ドリンクを飲むシーン。
ボロアパート月光荘の前で過去を懐かしむシーン。(尚はすっかり忘れてしまってるけど....、)
そして、ラストの居酒屋のシーン。いつもの店員さんを肴に勝手に想像して一人二役で会話をするシーンでは・・、

尚:ごめんね、面倒な病気にかかっちゃって(女店員の唇を見ながら...)。

全然、全然平気!(店長役)

迷惑かけると思うけど、一生懸命生きるから、よろしくお願いします(女店員)

かしこまり--!(店長)

真司:その一人会話遊びを聞きながら、笑みを浮かべる真司。その目には薄っすらと涙が浮かんでいる。

そして...、かしこまり~、って。

お互い笑顔で見つめあう。

でも、真司は涙があふれてきて...、顔をそむける。

どれも私の感情を揺さぶってきて・・、切なく(;´・ω・)
ああいうさりげないやり取りが心を打ちますね。ズルいです(;´∀`)

『大恋愛~僕を忘れる君と』第7話 なんへん:62

あっ、あと、尚のお母さんと井原先生のこれから、気になりますね~(;^ω^)

あっ、もう一つ、このドラマのバックで流れている静かな曲、曲調が、(ドラマじゃないけど)映画『シェイプ・オブ・ウォーター』のバックでゆったり流れる曲調と似ているんですよね...。なんて、思った人いますかね!?

一気に最終話の感想を(^^ゞ
最終話感想《切なく優しく明るく静かに...》

14日に放送された『大恋愛~僕を忘れる君と』最終話をようやく見ました。

見たい見たい、と思いつつ数日が過ぎ、その内、早く見なきゃ!となり、なんかよく分かんないプレッシャーにさらされながら、気持ちばかりが焦っていました。同時に、期待が高まっていくのも感じていました。

そして...、録画から6日後、ようやく見ました。

尚ちゃんを演じる戸田恵梨香さんの最後の演技は、やっぱり素晴らしかった。こちらを圧することなく、ひたすら静かに、優しく、しかし、圧倒的な存在感でした。

真司ことムロツヨシさんは、最後まで二枚目を貫き通しましたね。ちょっと涙もろい二枚目でしたけど(^-^;、見ている者の胸をグッと鷲づかみしてくるような切ない泣き顔が印象的でした。

ドラマは、切なく悲しい展開(ラスト)になると予想は出来ていましたが、悲しすぎる、切なすぎるのは嫌だなと思っていました。

二人には、『大恋愛』にふさわしいラストを用意してほしいと....。

そして最後は....、

予想通りの展開ではあったものの、全体的に静かに時が流れ、明るく終わったと思いました。少し物足りない感じもしましたが...、それでも満足感一杯の最終話でした。

『大恋愛~僕を忘れる君と』最終話 なんへん:62

なんへん指数は、変わらず。ドラマ全体のワクワク感は、6~8話あたりがピークだったかなと。

で、このブログの最後はこの問いに答えることにしましょう!

"戸田恵梨香とムロツヨシは記憶に残る二人になれますか!?"

過去の名作「恋愛ドラマ」に匹敵する印象を二人は残せたでしょうか!?

自分で問うておいてなんですが(;^ω^)、このドラマを純粋な「恋愛ドラマ」としてのカテゴリーに入れるのはどうなんだろう!?って、最終話を見て思ってしまいました。

十分な印象を残したのは間違いないと思いますけど...。

皆さんはどう感じたでしょうか(#^^#)



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