『スポットライト 世紀のスクープ』感想! 地味な役者さん達の最高のチームワークドラマ!

『スポットライト 世紀のスクープ』
リベンジしてきました!

本当は4月16日に観に行ったのです。二子玉川の109シネマズへ。
そしたらなんと、映写機の故障で上映中止となってしまい…。いやいや、そんなことあるんですか!?(;^_^A
上映予定時間から30分以上待たされた挙句(初めに調整中ですというアナウンスが2回ほど)、突然中止の発表が。
かなりテンション下がってしまい、もう『スポットライト 世紀のスクープ』は劇場で観ることはあるまいと思ったほどでした。
(;´∀`) ※しかし、二子玉川の109シネマズの対応はひどかった!

ところが、このゴールデンウィーク!遠出する予定もなく、かといってゴロゴロしているだけでは寂しい。
で、やっぱりなんか引っかかっていたスポットライトもう一度チャレンジしてみたわけです(`´)

リベンジは成功しました!(いや普通、現代のシネコンで映写機?壊れないでしょ)

そして、観て良かった!『スポットライト 世紀のスクープ』
さすが、アカデミー賞作品賞と脚本賞をW受賞しただけのことはある!

何が面白かったかって!?

その前に簡単なあらすじを

2001年アメリカの新聞「ボストン・グローブ」は新編集長としてマーティ・バロン(リーブ・シュレイバー)を雇う。マーティはウォルター・ロビンソン(マイケル・キートン)率いる少数精鋭の「スポットライト」チームにゲーガン神父の子供への性的虐待事件をチームで調査し記事にするよう持ちかける。
小さなチームで運営される「スポットライト」チームは、何ヶ月かかけて独自で調査を行い報道するコーナーを担っていた
これにより一地方紙の「スポットライト」チームがアメリカのみならず全世界に馴染み深いキリスト教の派閥の一つである「カトリック教会」内の神父による性的虐待、さらにはその事実を教会は知りながら黙殺していたのではないかという疑惑について、その真相の調査を開始する。
しかし、カトリック教徒が多いボストンでは彼らの行為はタブーだった……。被害者ですらなかなか重い口を開こうとはせず、弁護士らも非協力的であった。はたして彼らは真実を公表することができるのか!?
※新聞記者たちの実話をもとにした社会派ヒューマンドラマ

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スタッフ・キャスト紹介

■監督:トム・マッカーシー
■キャスト
マイク・レゼンデス:マーク・ラファロ
ウォルター・“ロビー”・ロビンソン:マイケル・キートン
サーシャ・ファイファー:レイチェル・マクアダムス
マット・キャロル:ブライアン・ダーシー・ジェームズ
ベン・ブラッドリー・Jr:ジョン・スラッテリー
マーティ・バロン:リーブ・シュレイバー
ミッチェル・ガラベディアン:スタンリー・トゥッチ

-感想-

あらすじを読んで分かる通り、この映画には銃もカーチェイスもスーパーヒーローも出てきません。地方の新聞社の地味な実話ドラマです。

それが、なぜ先日観たばかりの『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』以上の興奮を覚えたのか!?(ちょっと興奮の種類が違いますけど)
感想記事 ⇒『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』感想!アベンジャーズを超えた切ない戦いを見逃すな!
なぜ、観ていてこのドラマに引き込まれていったのか!? 目が離せなかったのか!?

答えは明白です。

それは、これが強いもの(タブー)との戦いだからです。

権力との戦いだからです。

弱者強者との戦い!※もちろん地方紙といえど、マスコミ(新聞社)を弱者とは言わないかもしれませんが、ここで言う弱者とは、性的虐待を受け続けている少年少女たちである!

チーム・キャプテン・アメリカ VS チーム・アイアンマンのように、強い者同士の戦いの話でカタルシスは得られないのです(興奮はするけど(^^ゞ)

芸能人の不倫スキャンダルをいくら暴いたところでそれがつまらないのは、その対象が全然強くないからです。
"他人の不幸は蜜の味"だからといって弱った相手をさらに痛めつけるのはあまり気持ち良いものではありません。

そんな中で、わずか数名の地方紙の記者たちが、アメリカ全土を揺るがす大スキャンダルを暴露した実話を基に描かれた本作が、最高のスリルと達成感を味わわせてくれたのは、何度も繰り返して恐縮ですが、それは(単純に)相手がメチャクチャ巨大で強いからです。

そして、同時にこの映画を観ている私が弱いからです。なんにも出来ないからです。ふがいないからです!(-_-;)

また、この地味な映画をエンターテインメント作品たらしめたのは、「スポットライト」チームの4人プラス上司の2人。この俳優さんたちの演技が素晴らしかったから!( `ー´)ノ

もしこれと似た題材が日本にあって映画化するとしたら、主演は誰になるでしょうね?
例えば、半沢直樹!じゃなくて、堺雅人さんとか。いいですよね(;^ω^)。でもきっと必ずここにジャニーズ系の役者さんが一人でも入ってくるのではないかと危惧するわけです。
いや、別に華やかになっていいじゃないかと思う方もいらっしゃるでしょうが・・、でもそれじゃダメなんです!場違いな空気が漂ってくるのです(-_-;)

ドラマなら松潤が弁護士になったって構わない。大野智君がホテルの社長になったってなんも問題ありません。でもね・・・(`´)
・・、
・・・、
しかし・・、この映画キャストをみてください。

マーク・ラファロ、マイケル・キートン、レイチェル・マクアダムス、ブライアン・ダーシー・ジェームズ、ジョン・スラッテリー、リーブ・シュレイバーですよ。

この方々の名前を聞いてパッと顔が浮かぶでしょうか!?

映画をよく観ている人なら浮かぶのでしょうが、マイケル・キートンは「バットマン」ですし、マーク・ラファロは「超人ハルク」リーブ・シュレイバーは「ウルヴァリンの兄」だったりするので(^。^)。
しかし、顔がパッと浮かぶのは、マイケル・キートンさんくらいでしょうか。

まあ、渋い!顔が地味!よくこんな渋い役者さんたちを集めたものだと感心してしまいます。

でも、これ!これなんです!

この映画に必要なのは、この地味で渋い、けれど、誠実で勇敢で意志が固そうな面構えの面々!
適材適所の役者さんたち!

一人のスターがいると、その他の人は、その他大勢になってしまう。というか、映画自体(雰囲気、空気)が全く別物になってしまう。
『スポットライト』チームにスターは必要ありません。
むしろ邪魔!

こんな芸当、日本映画に出来るでしょうか!?

本木雅弘さん(モッくん)とか、V6の岡田准一さんとか、出てきちゃいそうじゃないですか!?
(いや、彼らが悪いと言っているわけではなくて、あくまでその映画にふさわしい(適材適所の観点)人という話ですけど)

同じ新聞記者ものの『クライマーズ・ハイ』のキャストは渋くはないけれど良かった。(^^ゞ物語に集中できた!(好き嫌いは置いておいて(-_-;)
(堤真一、堺雅人、小澤征悦、田口トモロヲ、堀部圭亮、尾野真千子、矢島健一、滝藤賢一、皆川猿時など)客寄せのための保険を掛けたらダメなんだと思うわけです。

今作で鑑賞中困ったことが一つ、主要キャスト以外の方々の名前が何人か把握できなくて困ってしまいました。
特に電話のやり取りシーンが多くて、名前だけが出てくると顔と名前が一致しない。
あれ、皆さん追いついていけたのかなぁ?

もう一度観たら分かると思うのですが!

さて、事件の話に戻ります。

「カトリック教会」を告発するって日本でいったらどういう位置づけになるのでしょうかね。
特にボストンという地域は熱心な信者がいて、街ぐるみで隠ぺいしようと(家庭でも学校でも)するところでした。
しかも相手は聖職者、絶対“悪”でないところが非常にやっかい。

しかし一部の人間(神父)がやっている行為は、鬼畜の所業
これが一個人であれば、躊躇せず断罪出来るのでしょうが・・、対組織となると、もはやマスコミはあてにはできません。
アメリカも似たようなものかもしれませんが、特に日本は「和」を大事にしますから(良い意味でも悪い意味でも)隠蔽の方向に進みそう!
現在の日本のマスコミは、権力の意のままに操られている感がハンパないですし。
弱小出版社や地方紙が告発しても大手は一切無視して幕引きなんて姿が思い描かれます。

そんな中でのこの作品

『スポットライト 世紀のスクープ』は、マスコミの良心(を持った個人がまだ活躍できること)をほんの少しだけ信じてみようかと思わせる力に満ちあふれた作品でした。

では、なんへんです。

映画『スポットライト 世紀のスクープ』なんへん:64

観終わった時思わずジワっと涙が浮かんできました。感動!?の涙だったのか、自分でもよく分かりません。
感動したという意識はそれほどなかったのですが・・、きっと“心が揺さぶられた”というのはこういう状態をいうのでしょうか
(@_@;)
それとも単に涙腺が緩くなってきたのかな。。
どちらにせよ、素晴らしい作品でした!

以上
Mr.なんへんでした。



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