「下町ロケット」ドラマの“力” そして「ガウディ計画」へ

目 次

ドラマにはどれほどの「力」があるのか?
ドラマは大抵フィクションであり、フィクションは大抵現実世界(リアル)には敵わない。

そう思います。

しかし、なかには、現実を超える作品が生まれることもある。

「下町ロケット」は、フィクションを超えるか!?

「下町ロケット」がそう言うに値する作品なのかどうかは、人それぞれ意見が異なるところでしょうが、
少なくとも、先日、現実に起こった出来事に匹敵する感動を、昨夜のドラマ(第5話)で私は覚えました。

現実に起こった出来事とは、言うまでもなく、
国産初の小型ジェット旅客機「MRJ」の初飛行です!

※よかったら、こちらの記事もご覧ください ⇒ MRJ初飛行!ドラマ「下町ロケット」を地で行く町工場がスゴイ!

リアルなニュース映像を見ながら、滑走路からMRJの前輪が浮いた時、そしてそのまま大空に飛び立っていく姿に感動しました!
その後テスト飛行を終え無事着陸した姿を見たときも、ホッとしたりして・・。

飛び立つ映像は、当然アップもスローモーションもなく、ただ飛行機が飛び立つ姿を映していただけなんですが、これがリアルな迫力なんでしょう。
ドラマとは違った興奮があったのは事実です。

しかし、昨日の「下町ロケット」のクライマックス
エンジン点火されロケットが白煙の中、まっすぐ空に向かって突き進む姿を見て、思わず心の中で“行け―”と言ってる自分がいました。

いや、ドラマのラストなんだから、成功するに決まってるじゃん!!っと、分かっていてもです。

なんなんでしょうかね? この思いもよらない感動は!?

・・・、
・・・・・。

これがこのドラマの“力”なんだと思います。

もともと原作は、池井戸潤氏の直木賞受賞作で面白くないわけがありません。そこに無駄のない脚本、演出、音楽、そして気合が入った演者さんたちが一体となって作り上げた作品だけが獲得することができる“力”なんだと。

第1話から4話までの過程で、私はとことん佃製作所に肩入れして、くやしがり、怒り、そして応援してきました。(時には芸人さんの存在が心地よい感情移入を妨げることもありましたが・・・(;一_一)

※そこのところは、こちらに詳しく書かせて頂きました ⇒ 2015秋ドラマ「下町ロケット」感想 “芸人さん”を使うことについて!

くしくも、昨夜はその前の放送『世界野球プレミア12「日本×ベネズエラ」』の試合が日本の逆転サヨナラ勝ちという劇的な嬉しい幕切れで終わったため(かなり開始時間は遅くなったものの)、この現実の出来事での喜びと「下町ロケット」でのロケット打ち上げ成功というリアルとフィクションの世界の垣根が感動レベルでは区別がつかなくなったような気もしました。

これも、「下町ロケット」の“力”なんだと思います。

第5話感想

■ 3人の圧巻の存在感

3人とは、もちろん、佃 航平役:阿部寛さん(51)、帝国重工/財前部長役:吉川晃司さん(50)藤間社長役:杉良太郎さん(71)です!
3人合わせて172歳。このキャスティング、良いですね~(^J^) 難点は、カッコよすぎるところ(^_^;)

「MOZU」の西島 秀俊さん(44)、香川 照之(49) この40代コンビも熱い(熱すぎる)ですが、50代以上が脇に追いやられずに、主演で活躍するドラマは安心してみていられます!

さすがに、三匹のおっさん(テレビ東京系ドラマ)志賀 廣太郎(67)、北大路 欣也(72)、泉谷 しげる(67) 三人合わせて206歳には勝てないですけど、ハハハ(^^ゞ

② その中でも特に“杉さん”!
そう、帝国重工 藤間社長です。

なんですか!!、あの眉間のしわと細い眼に宿る眼光とセリフの重さは!?

“最後の壁”=藤間社長に挑む財前(吉川)
財前は、役員会でバルブシステムの部品供給を佃製作所から受けたいと藤間社長に頭を下げます。
当然、周りの役員は「すべての部品は帝国重工内制作との原則を破るつもりか?」と声を荒げます。財前は社長を見据え「そうです。例外として認めていただけないでしょうか。」と。

・・・、

しばし沈黙。(私も沈黙、画面にくぎ付け。どうする、藤間!?

藤間社長(杉良太郎):「ありえん。」! (いや、マジか~(・_・;)、そうくるかぁ~)

「ありえん」一喝ですよ!!

どうしますか、普通!? 私なら、「ははぁ~、」って言って、その場にひれ伏しますね(^_^;)

しかし、
「話は以上かね?」と部屋を出ようとする藤間を財前が決死の表情で呼び止めます。
お待ちください、社長!

そこから一気に、藤間社長(杉良太郎)と財前部長(吉川晃司)の迫真の演技が展開されていきます。
※まぁ、ほとんど杉さんにセリフはないですけどね。顔のしわと目で心のうちが透けて見えるような演技をするわけですよ!これが!

役員から「夢?何を青臭いことを言っているんだ!」と声が上がると、
藤間社長の鋭い眼光で一瞬にらみつけて黙らせる!とかね。(藤間社長の心の声・・・てめぇ、こんにゃろ~、夢の何が悪い!、何も分からんやつがガヤを入れるな、バカめが!!)と。あくまで私の想像です(^^ゞ

続けて財前は「これほどまでの一途な想いがなければこれほど高性能なバルブは生まれなかった。藤間社長もそうでいらっしゃったはずです。社長もかつては我が社の優秀な技術者であられた。そこから宇宙航空ビジネスの実現のために経営者としての道を選ばれた。そんな藤間社長なら佃の思いが理解していただけると..」と。

藤間社長、少し達観したような表情を見せると、「バルブを制するものはロケットエンジンを制する...か」とつぶやき、
その男に賭けてみるか。どん底から這い上がった男に!」と、佃製作所のバルブシステムを採用することを決定したのです。

このセリフ、カッコいいのでもう一度!<`~´> 「その男に賭けてみるか。どん底から這い上がった男に!

そして、吉川(財前)の
最後の壁に挑む財前(吉川)とその壁となる藤間社長(杉)の緊迫した二人のやり取り(脚本・演出・演技)が、このフィクションにリアリティを与え、クライマックスのロケット打ち上げ成功の感動につながったのだと思います。

もちろん、それまでの佃晃平ひいては佃製作所の社員全員の苦労や戦いがメインにあるのは言わずもがなです。

さてさて、昨夜で1部ロケット編が完結しました。

お次はなんと、先日単行本が発売されたばかりの「下町ロケット2 ガウディ計画」が始まると!

単行本、買おうかどうか迷っていた時に知ってよかったぁ(^_^;)。

「ガウディ計画」今度は心臓医療機器!

しかし、この「ガウディ計画」。個人的には興味津々の内容なんです。
というのも、どうやら佃製作所が次に挑むのは、
医療機器の開発だというのです。しかも、心臓の人工弁。それが人工弁開発プロジェクト「ガウディ計画」

私は、現在リアルに人工弁を使用しているので、たとえドラマといえど、他人ごとではないのです!(^_^.)

ロケット部品はさすがに遠い世界の話ではありましたが、今度は心臓となると、
いやいや、ますます「下町ロケット」見逃せなくなりました!

新たな登場人物に少しふれておきます。

小泉孝太郎さん(37)と世良公則さん(59)

小泉さんが演じるのは、NASA出身の技術者。現在は父親が興した精密機器メーカー社長を務め、ロケット工学が専門で、阿部が演じる佃航平率いる「佃製作所」のライバルとして立ちはだかる。
そして、世良さんが演じるのは、アジア医科大学心臓血管外科部長。日本の心臓外科でトップクラスと言われるアジア医科大学の看板教授という役どころ。こちらも佃製作所と敵対する関係ということ。

小泉孝太郎の優しくあまい感じがいい意味で裏切られると面白くなりそうです。世良公則さんは、吉川晃司さんに続く、ミュージシャンということで吉川越えを期待したいですね(^J^)

さらに、お笑い芸人の今田耕司さん(49)が“ゴッドハンド”の異名を持つ天才心臓外科医を演じるらしいと・・(@_@;)。
う~ん、はやくもイヤな予感! とにかく、他番組に出まくっている今田さんの起用は、正直、不安です。その役にこちらが感情移入できるかどうかが・・?
とにかく、肩の力を抜いて、力まずに演じて頂ければと願うばかりです。(こういう余計な神経を使うのがいやなんですよね)

ドラマと原作一遍に両方楽しみたい方はこちらを↓
「下町ロケット2 ガウディ計画」」amazon

それでは最後に恒例の“なんへん”で締めます。

秋ドラマ「下町ロケット」第1部 なんへん:65

※以前つけたドラマ「半沢直樹」のなんへん:68に近づいてきました~!第2部の「ガウディ計画」で半沢越えなるか!?(ちなみにこれは視聴率とはなんも関係ないですからね(^_^;))

「下町ロケット」の関連記事は他にもありまして、こちらをどうぞご覧ください。↓

⇒ 秋ドラマ 2015 「下町ロケット」池井戸原作 “なんへん”
⇒ 2015秋ドラマ「下町ロケット」ラスト4分のカタルシス

以上
Mr.なんへんでした。



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