2015秋ドラマ「下町ロケット」ラスト4分のカタルシス

ドラマ「下町ロケット」第1話 クライマックス
佃航平=阿部寛が佃製作所全社員の前で行ったラスト4分のスピーチ!

これが、池井戸原作の醍醐味でありカタルシスなのでしょう!

※カタルシス=心の中に溜まっていた澱(おり)のような感情が解放され、気持ちが浄化されること(三省堂ワードワイズ・ウェブより)

だから池井戸原作はやめられない ( `ー´)ノ

第1話の簡単なあらすじ(ネタばれ)
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ロケットエンジン開発という研究者の道をあきらめ、家業の町工場を継いだ佃航平は、製品開発で業績を伸ばしていた。そんなある日、商売敵の一部上場の大手メーカーから理不尽な特許侵害で訴えられる。圧倒的な形勢不利の中で取引先を失い、資金繰りに窮する佃製作所。
しかし、大手メーカーの真の狙いは、特許ではなく佃製作所の買収にあった。
大手メーカーの傘下に入るか、それとも倒産か、もう選択の余地はなかった。
しかし、最後に起死回生を賭けて、戦うことを決意する!
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そのことを全社員に説明するラストの場面

阿部寛(佃航平)さんの気持ちの入った約4分のセリフ(スピーチ)が始まります!

大勢を前にしてのスピーチ、しかも涙を流してのセリフは相当気合を入れないと言葉につまってしまうのではないかと思うのですが・・・、
役者さんは凄いですね、阿部さん気持ちが入っていました!

佃社長は言います!

いい歳して夢みたいなことを言うなって銀行の奴らにも笑われたよ。
だがな、いい歳したおっさんが夢見て何が悪い!
町工場が夢見て何が悪いんだぁー!

銀行に見捨てられ、取引先から見捨てられ、それでもまだこの製作所には君たちがいる!
だから俺は戦うことにした!
~~~
~~~(中略)、
それは、逆訴訟だ!
(私の心の声 = よっしゃ (`^´)!)
続けて、
みんなの力をどうか貸してほしい!

こんな風に社長に言われたらどうですか?
そりゃ、やる気になりますよね。やってやろうって!思いますよね。
正直、こんな社長の下で働きたいって思いました。
(中には、こんな情けない社長について行くのはイヤだっていう方もいるかもですが・・?)

とにかく、現実はそうじゃない。残念ながら。だからこそ・・・○o。

世間でも多くの方がそう感じているのではないでしょうか?

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先日発覚した横浜市のマンション傾斜問題もいったい誰が責任を取るのか、取ってくれるのか?誰が先頭に立って問題解決に当たるのか?

もうこんなの言い始めたらきりがありませんが、
・3.11東日本大震災での福島原発の問題、いったいだれが責任を取ったのか?(誰も何も取っていません!)
・安保法案強行採決しかり、米軍普天間飛行場の辺野古への移設計画の問題しかり。
 政府はいったい米国と国民(沖縄県民も日本国民です)どっちの味方なんですか?
 ・・・、とかね。
ちゃんと説明すべき人が逃げ隠れして、あるいはまともに説明できないというテイタラク。

さらに切実な「貧困」の問題とか。(いまや、日本人の約6人に1人が相対的な貧困層に分類されるとか)
最近特に目につく「下流老人」とか「貧困女子」とかいう言葉。
要するに「格差」の問題です。

10年20年前に比べると、非常にクローズアップされています。
それは実感としても感じますが・・・、
今、そのやり場のない鬱屈した感情のはけ口として
巨大企業に立ち向かうこうした一連の池井戸作品が支持されるのでしょう!きっと。
マンネリだ、もう飽きたといわれながらも・・・、です。

だって、責任あるものが誰もやってくれない(自分もいざとなったらできない)のだから。

せめてドラマの中では、権力を笠に着ているもの(正義がどちらにあるかは別としても)、
数の論理(大企業)で弱いもの(町工場)を踏みつぶそうとしているものに対して、
一発ギャフンと言わせてやりたい、と思うわけです。
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第1話のキャストで、意外にもしっくりきた演者さん。

神谷修一(佃製作所側についた知財専門の弁護士)役を演じる恵俊彰さん(ホンジャマカ)
WOWOWドラマでは、女性として描かれ寺島しのぶさんが演じていましたが(原作は男性)、これが非常に重要な役で、さらに寺島さんの演技がすごく良かったので、恵さんではたして大丈夫かと思いました。

で、意外にも(失礼ながら)、違和感なく見れました。というか、それ以上に頼もしく見えました

他の演者の皆さんは、なじみの方たちなので安心していましたが、
「帝国重工」の宇宙航空部・開発担当部長 財前道生役の吉川晃司さん、同じく宇宙航空部・宇宙開発グループ主任 水原重治役の木下ほうかさんとの絡みもいいですね。『痛快TV スカッとジャパン』で小ブレイクした木下ほうかさんの味をそのまま活かすあたり・・、にくいです。

ナカシマ工業のお二人、三田公康役の橋本さとしさん、弁護士中川京一役の池畑慎之介(久しぶりのピーター)さん。演出でしょうけど、わざとらしいほどの悪い顔。にくらしいですね~。いいです!

まだ第1話なのですが、しかも、これからの展開(ストーリーはWOWOWドラマで分かっている)も知っているのですが、
それでもすでに次回が楽しみになっています。

これも、脚本・演出・音楽そして演者さんたちの力量によるものなのでしょう。

では、下町ロケット第1話のなんへんです。

秋ドラマ 「下町ロケット」 なんへん:63

※前回 「下町ロケット」の期待値として なんへん:62としましたが、1ポイントアップです↑
(阿部ちゃんに力が入りすぎて暑苦しい肩の凝りそうなドラマになるのかなと思いましたが、内容が内容ですから、それでも今回は感情移入できました。高なんへんです。さらに今後に期待です。)

以上
Mr.なんへん



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